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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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双子のきずなのハイタッチ

  • 年度:2023
  • 性別:男子
  • 執筆者:
我が家の一卵性双生児は生まれた時からいつも一緒でとても仲良し。
二人でいればケタケタ爆笑し、ほとんど喧嘩もしない。
そんな二人が中学受験に挑戦したお話です。

2歳上のお兄ちゃんの影響もあり、自然と中学受験をしたいと言い出した二人。
4年生から日能研に通い始めます。
初めは成績もほとんど一緒。クラスも一緒。そりゃ同じ遺伝子ですから。
でもだんだん差が出始めます。

一卵性双生児は他人から見るとほぼ同じ。でも親から見ると見た目も性格も全然違う。
勉強をはじめるとすぐにぼーっとし始める双子兄。成績も下降していきます。
兄よりは頑張る双子弟。でも兄がさぼりはじめると安心するのか、一緒になってさぼっちゃう。
絵に描いたような足の引っ張り合いが3年間繰り広げられます。

二人でお風呂に入ると、まあ1時間は出てきません。どちらかが先にでて勉強してやろうとか、そういう気持ちは湧いてこない。「切磋琢磨」という言葉の意味を何度も説きましたが、まぁ人間楽な方に流れやすいものです。

そんな二人も6年生になると自我が芽生え始めます。
「一緒の中学校には行かない」
さぁここから長く果てしないシミュレーション地獄の始まりです。

併願校選び、出願パターン、当日の行動パターン・・・
シミュレーションは無限に続きます。

例えば、、
2月1日は父が弟に、母が兄に帯同。母は一旦帰宅し昼食準備。父は学校で待機。母再び出陣し兄を出迎えし、再度帰宅し昼食。つかの間の休憩後午後受験へ。弟は父と外で昼食後午後受験へ・・・。夕方合格発表。結果により翌日の行動パターンは広がっていきます。
あわせて結果を受けての出願パターン、入学手続きパターン・・・
(さらにここに中学生のお兄ちゃんの学校の入試準備による午前授業や休校が入ってくる)
すべてのパターンをエクセルで表にし、くれぐれも手続き系で間違えがないようにシミュレーションを繰り返します。二人とも順調に成績が伸びていくわけもなく、浮き沈みを繰り返し、その都度併願校を練り、シミュレーションをやり直す。そんな日々を過ごしながら2月を迎えるのです。

父母は二人を比較することはなるべく避けました。でも周囲は比較しちゃいます。日能研に行けば同じクラスにいるわけで、席順も変わります。そしていつも負けてる兄。しんどかったと思います。でも二人は最後まで一緒になんとか頑張り抜きました。1月29日、最後の日特も一緒に電車に乗って日能研に向かっていきました。

そして迎えた本番。
家を出るとき、後に家を出る兄から弟に「頑張って!」とハイタッチ。父母兄弟4人でハイタッチ。気合が入ります。(絶賛反抗期の中学生兄は参加せず)
夕方運命の合格発表。まず弟の学校からです。みんなでチェック。見事合格!全員で抱き合ってハイタッチ!
2時間後、兄の発表。弟から兄へ「幸運を分けてあげる」とハイタッチ。そして合格!またみんなでハイタッチ!(中学生兄は階段からその様子をのぞき見)
そのあとの午後受験校も両方合格!なんと1日で4校の合格、しかもそれぞれ第一志望校の合格をもぎとったのです。

2日は弟のチャレンジ校受験。兄はハイタッチで見送ります。しかし不合格。4日に再チャレンジです。第一志望校に合格した兄は受験終了。自室にこもって出てきません。一緒にいると遊んでしまうので、彼なりの配慮です。最後の最後で足の引っ張りをやめました。

4日の朝。兄から弟に今までで一番強いハイタッチ!「大丈夫!絶対受かる!」気合の入った弟は元気に最後の試験に臨みます。そして、、、夕方。最後の合格発表をみんなで見ます。合格!!!みんなでハイタッチ!!(中学生兄も精一杯の「よかったね」)

結果は想像以上の大豊作でした。
二人そろってグダグダの時も多かったけど、二人だから最後まで頑張れたのかもしれません。我々にも見えない何かでつながっているのかな、とも感じた結果でもありました。

今二人はまたケタケタ爆笑しています。ずっと我慢していたゲームをしながら。4月から初めて別々の道を行く二人。親としてはいつまでも仲良くいてほしいなと願っています。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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