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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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受験生の親の戦い方

  • 年度:2024
  • 性別:男子
  • 執筆者:
「中学受験は親の受験」と言われていますが、親の私が受験生の傍らでいかに立ち回ったかについて記しておきます。多少盛っているので、話半分に読んでください。

その壱.必勝祈願
1年間欠かさず行ったのは「必勝祈願」。志望校が通勤途中にあるので、行き帰り最寄り駅に着くと「〇〇(学校の名前)様~」と電車の中から志望校に向かってお祈りしていました。(もうハナからアヤシイでしょう?)
初めは「読んだ本から出題されますように。」とか「子供が解ける問題だけ出ますように。」とか虫のいいことばかりを思いつくのですが、それに飽きてくると子供の状態や勉強の結果の良し悪しをつぶやくようになるんですね。これを続けていくと、好不調の波や、得意不得意が無意識に記憶にインプットされていきます。どうです?あながち無意味な行為ではなかったでしょう??
もっとも土壇場の1月には気持ちがテンパって、初めの頃の神頼みに戻りましたが..

その弐.地図の活用
そして軍備に地図は必需品。某電気店でもらってきた日本地図付きのカレンダーを部屋の壁に貼り、社会科で出る「歴史上の戦地」や「県別作物/工芸品」などをメモにして該当地に貼り付けていきました。

その参.軍師として
受験生の親は軍師・先駆け・しんがりを務めなければなりません。
軍師としては、スケジュールの管理はもちろん、先を見越して早い段階から『まとめ資料』を作っていました。直前になると親も忙しいですからね。具体的には、政令都市でA4 1枚、核をめぐる動きで1枚、数列で1枚、というふうに、思いついたらまとめていき最終的に全科目で30枚程度になりました。
いくらためになるものを作っても、受験生当人に読んでもらわなければなりません。カラーでビジュアル化、語呂合わせやだじゃれも多用しました。テキストではないので、キャッチ―なら多少ふざけてもいいんです。
歴史もおさらいをするのに年表では味気ないので、全巻セットで購入していた歴史マンガを全ページスキャンして、流れを残しつつコマを間引いたダイジェスト版としてまとめました。『ファスト歴史マンガ』とでも呼びましょうか。でもこれはしんどすぎて、二度とやりたくない(苦笑。少しは読んでくれたので良かったけど。

その肆.先駆けとして
先駆けは受験生の先回りをして、行く手の障害を取り払わなければなりません。親の時間を消費しても、受験生がスムーズに勉強ができるよう取り計らいました。
6年生にもなると(後期はさらに)自己分析シートなどの記入が増えます。後期は毎週のテストごとです。12歳の子供に毎週レポートを出せと言っているようなもの。正直こんなもの(失礼)に毎週何時間もとられたくない。そこで自学は受験生、作業は親と分業を目指しました。
点数などの調べ物は私が探して薄く下書き、課題・方略などはサンプル文をいくつか書き出しておいて本人に選ばせるプリフィックス方式にしました。提出しなくても(親としては)黙認としました。その代わり現状の把握は都度親子で行いました。
また、算数428題も問題の下に解答が書けるのが良いだろうと、1、2題ずつを1ページとしてプリントしなおすという非常に手間のかかる作業をしました。これも二度とやりたくない。

その伍.しんがりとして
しんがりとしては、テストの振り返りです。間違えたところを解き直す、― 気持ちがのらない勉強です。私も自身の受験生時代ではしませんでした。
復習のしかたですが、まずしんがり役として間違えていた問題はすべて解きました(正答率数%の取らなくて良い問題除く)。それでも自力で解いていたら試験時間内に終わらない..なんてこともざらでした。受験生の処理速度の凄さを体感すれば、間違えていたからといっておいそれと怒れなくなります。そして解いた上でどこまでヒントを出すか、抑えるポイント、派生する雑学などを考え、口頭やメモ書きでそれらを伝え解き直しをさせました。解き直しもちょこちょこっと書いてすまされないように、事前に解答用紙の空白やノートに解答枠を都度書いてしっかり解答するように誘導しました。
鯉を自力で登らせるには、登りたくなるような滝を作り導きましょう。どのような滝にするかは工夫次第です。
6年生の夏休みまでは、テストの間違えた問題はこちらが一方的に解説するだけで解き直しはさせなかったので、これはもっと早くからやっておくべきだったと反省しています。

その陸.受験を終えて
日能研は他塾に比べて親の負担が少ないようですので、その分義務的な作業の代わりに自らカスタマイズしたサポート体制が取れて良かったのではないでしょうか。子供には迷惑な部分があったかもしれませんが(笑)。
戦績は、前受けを含めて4戦全勝。これまでやってきたことは少なくとも間違いではなかったと言えるでしょう。40年前全敗した苦い過去のある軍師としては感慨深いものがあります。むしろ1回くらい悔しい思いをした方が本人の人生経験としてよかったのでは、と思うのは欲深きことでしょうか・・・
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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