コラム・読み物

コラム・読み物トップへ

親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

関連キーワードへ

この記事の関連キーワード
どのようにやっているの?家庭学習
志望校・併願校の選び方
過去問への取り組み
家族の支え・フォロー

第一希望校の扉は開けられず、でもやり尽くすことは出来ました

  • 年度:2023
  • 性別:女子
  • 執筆者:
1月、2月と多数の学校を受けた次女の中学受験が終わり、先日ご縁をいただいた私立中学の入学者ガイダンスに参加してきました。
自分の持ち偏差値よりちょっと下を第一志望校にし、チャレンジ校を受けなかったコストパフォーマンス抜群の長女と違い、4年生の最初に受けた日能研全国公開模試の偏差値からは10以上も上の学校を第一志望校にしてチャレンジをするという、茨の道を選択した次女の受験でした。

最終的な持ち偏差値は第一志望校に届かなかったものの、3年間努力を続け、合格する可能性もあるのではないかというレベルまでは辿りつけました。

しかし、御三家ではないとはいえ、御三家受験者も多数受験する次女の第一志望校のレベルと人気は非常に高く、残念ながら、その扉を開いて合格することはできませんでした。
自己採点限りでは、補欠合格は例年ならあるくらいまでは肉薄したかもしれませんが、補欠合格の数が例年より少なく、お声はかかりませんでした。

とはいえ、持ち偏差値相当の学校や、GMARCH大学附属校など、4年生当初時の日能研全国公開模試の偏差値からはとても無理だろうなという学校にいくつも合格をいただけたので、次女本人としては、やり尽くした良い受験だったとのことで、何よりと思います。

親としては、合格した大学附属校を進学先に選んでくれる方が楽でいいなと期待していましたが、次女が進学先に選んだのは、大学附属校よりも偏差値は下ではあるものの、第一志望校同様に次女が自分で最初に受験すると決めた「もう一つ」の学校です。

確かに、この学校の雰囲気や通いやすさは、次女にぴったりだと思いますし、学校説明会も第一志望校の次に多く参加した学校なので、とてもご縁を感じる良い学校です。
周りからは、合格をいただいた大学附属校に進学せずにその学校を選ぶのは珍しいと言われましたが、通うのは次女本人なので、その選択を後悔しないよう、楽しんで6年間通ってくれれば良いなと思います。

中学受験の合格と不合格は、次女のこれからの長い人生にとって一つの通過点に過ぎないと思いますが、貴重な経験になったと感じています。
そして、何か今後行き詰ったときは、この時の経験を思い出し、今後ぶつかるであろう様々な壁を乗り越えて欲しいと思います。

最後に、難関校・上位校(日能研偏差値で65以上)の受験を通して、こうすればもしかしたら第一志望校に合格したかもしれないと私が後から感じたポイントをいくつか挙げておきます。
今後、難関校・上位校受験にチャレンジするご家庭への参考になれば幸いです。

(1)1月受験校で不合格となった学校の振り返りをきちんとしよう。
次女は、第一志望校と同ランクの1月校は不合格になりました。
しかし、1月に受験した受校の中で、通っても良いと思っていた学校には合格できましたので、不合格になった学校のことを軽視し、入試問題の振り返りをちゃんとしませんでした。
このとき、振り返りをきちんとし、日能研で原因をアドバイスしてもらっていれば、第一志望校の初日の入試への臨み方も変わったのではないかと思いました。

(2)日能研の模試を通して、弱点だと感じているところは、直すことを最後まで諦めないようにしよう。そのためには外部模試の活用も検討しよう。
次女は、第一志望校の第一回入試で得意の国語(時間配分と解く問題の優先順位ミス)を、第二回入試で算数(問題条件の誤読)を、それぞれミスにより大幅に失点したことにより、不合格になった可能性が高いと感じています。
国語は、日能研の模試や過去問での出来は4科目で最も良く、模試等で時間が足りなくなるということがほとんどなかったので、他の科目と異なり、解ける問題を優先して解くという問題セレクトをせずに、常に大問1から解いていました。
この点は、何度か私から次女に国語でも問題セレクトをしようという話はしていましたが、そういうことをしなくても模試等でそれなりの点数を取れるし、実際に時間が足りなくなることがなかったので、次女本人はピンと来ていないのか、改善する意思は見受けられませんでした。私も、模試等で点数自体は取れていたので、次女へのアドバイス程度に留めており、強く改善を促すことはしませんでした。

しかし、第一回入試の国語が難しく、国語の受験者平均点も例年より15点以上低い点数でした。原因は多くの受験生にとって大問1の読解が非常に難解で、大問2を解く時間が足りなかったことが大きな要因と思われますが、大問2の方が解きやすい問題だったようです。
そのため、大問2から先に解くべき問題でしたが、次女は国語を常に大問1から解いているので、大問2を解く時間が大幅に足りなくなり、おそらく過去一度も取ったことがないような低い点数を国語で取ってしまったと思われます。

他方で、算数の問題条件の誤読というのは、次女にとって算数に限らず常に起こりがちなミスでしたが、最後まで直すことができず、第一希望校の第二回入試での算数の大幅な失点の要因となってしまいました。
これも算数の実力そのものが上がった分、模試等では誤読が多少あっても点数がそれなりに取れていたため、対応を次女本人及び塾任せにしてしまい、私からは次女に対して強く改善を促すことはしなかった部分です。

上記2つの弱点は、次女が自覚をして改善することが必要となる点ですが、模試等ではそれなりに点数が取れ、塾のクラス落ちも5年以降はしなかったので、次女が本当に弱点と自覚でき、自分の意思で改善しようとしたのは、第二回の2月2日の入試に不合格となり、その振り返りを2月3日にした時だと思います。
それでは流石に遅すぎたということだと思いますので、是非、気づいている弱点があった場合には、入試前に改善する努力を諦めないで欲しいと思います。

また、次女は、振り返りの時間を取れないと思ったので、日能研以外の模試は一切受けなかったのですが、日能研の模試のみだと慣れからか、それなりの点数が取れてしまうので、自覚し辛い弱点を自覚してもらうためにも、あえて外部模試を受けて、酷い点数を取り、弱点を自覚してもらうという荒療治をしても良かったのではと思いました。
特に、第一志望校での過去問の点数もそれなりに取れている場合には、子どもの中に目に見えない油断や気の緩みというのもあるかもしれないので、そのために外部模試を受けるというのも一つの方法かもしれません。

(3)第一志望校と同ランク又は上位ランクの学校の過去問にもチャレンジしよう。
次女の第一志望校は、近年人気が急上昇したため、ここ3年で偏差値と問題のレベルが上がっていました。
それ自体は私も認識していたので、過去問はあまり古い年度のものはやらず、その代わりに全落ちを避けるため及び基礎力向上のために、第一志望校より偏差値の低い併願校の過去問演習にも力を入れました。
それが奏功したのか、進学先も含めた第一志望校よりも偏差値の低い併願校にはすべて合格をすることが出来ました。
しかし、第一志望校も含めた、持ち偏差値よりも偏差値の高い学校は、すべて不合格となり、いわゆるジャイアントキリングは起こせませんでした。
特に、第一志望校では、過去問でそれなりの点数が取れていたので、それに安心していたという気持ちが親である私にもあったと思います。

過去問でそれなりの点数が取れていたわけですから、後は問題の難化に対応するために、家庭学習でも第一志望校より偏差値が上の学校の過去問にもっとチャレンジさせた方が良かったかなと今となっては思います。
家庭学習では基礎の確認を中心とし、応用問題や問題の難化対策は塾の授業時の問題演習に任せるという役割分担にしたこと自体は間違っていなかったと思いますが、応用問題演習を塾に一任しすぎたということはあるかもしれません。過去問の出来具合に応じて、もう少し家庭学習を柔軟に対応した方がよかったと反省しています。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
  • 前のドラマ
  • 次のドラマ

PageTop