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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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栄光への道

  • 年度:2024
  • 性別:女子
  • 執筆者:
長女が中学受験勉強を始めたきっかけは小学校3年生4月の時に保育園からの友達と仲違いしてしまい、トラブルが発生したことでした。
長女から話を聞き、困っており、学校以外に何処か居場所がないか探していたところ、日能研の入塾テストの案内を妻が長女の保育園時代のママ友から教えてもらいました。
長女に良い機会だと思い、妻が日能研の説明会に参加しテストを受け入塾しました。
当時の塾長からは「結果に驚かず、受け止めてあげてください」と言われ、答案を見ると、真っ白でした。
私は長女が塾に通いながら気を紛らわせ、勉強も身につき、一石二鳥だと思いました。
しかし、長女は勉強を自主的にやる性格ではなく、やむ無くやらされている様子で、偏差値も35程度でした。
それでも長女は塾に仕方なく通い続け、体操、プールの習い事も5年生まで続け、学校の部活は6年生の11月頃まで朝練に参加するなど、とにかく多忙な日々でした。
すると、少しずつ成果が出始め、日能研全国公開模試の偏差値が40を超え、算数や国語は良い時には偏差値50を超える事もありましたが、4教科を含めると偏差値40〜45といった成績でした。

6年生になると、どの学校に行くのが良いのかを検討し、妻の母校や自宅から通学出来そうな学校を探しました。
しかし、偏差値が45程度では50〜60程度の学校に全く歯が立たないと思いました。
私は長女が日能研の授業復習ができていないので成績が伸びずにいると思いました。
日能研ではコロナ禍で授業以外の自習室が開放されていませんでした。
そこで、妻が自宅近くの個別学習塾を見つけ、日能研は火木土曜に通い、個別学習塾で算数の講義を申込みして月水金は自習も兼ねて併用して勉強するようにしました。
そして、親だけで個別に学校説明会にいくつか参加し学校の見学には長女を連れて行きました。
そこでは、長女も学校の生徒と触れ合い、生活、部活の事を聞き、仲良くなることもあり、前よりも受験への意識とモチベーションを持つようになりました。
ところが、6年生という思春期真っただ中で、学校の友達と喧嘩し学校に行きたくないと言い出し、受験を辞めたいと言ってきたことも何回かありました。
その度に長女の気持ちを宥め、話を聞き、要望に応じ、学校の校長や担任の先生に事情を伺い、改善できるように話をしました。
いつもは学校から祖母宅に帰り、荷物を置き、塾に行っていましたが、ある時、塾から「授業に来ていません。」と連絡をもらい、探したら公園で友達と遊びに夢中で塾に行くことに気づかなかったこともありました。
長女の偏差値は入試直前期においても低空飛行を続け、偏差値40を下回り絶望感が漂う時もありましたが、12月の最後の公開模試で平均偏差値45にようやく落ち着きました。
受験校も当初は偏差値50以上の学校を目指しましたが、再考し、実力に合う実績のある伝統校など塾の担任や長女の意向を踏まえ、女子校、共学校を受けることにしました。

親子喧嘩も日常茶飯事でしたか、年が明け、1月11日に埼玉の共学校のA中学を受験しました。
自宅から1時間半はかかるところで、受験者も1000人が一気に向かうので朝方は込み合うことを予想し時間にゆとりを持って朝一の電車で向かいました。
当日、なんと電車の遅延状況を見ると最寄り駅からのルートでは発電所のトラブルで止まっていることに気づきました。
そこで、急遽、自宅から少し歩いて行った駅から別ルートで最寄り駅まで向かったことで、スムーズに辿り着き、学校までのバスの混み具合も少なく、ホッとしました。
A中学までのバスも臨時で多く出ていたので、待つ間、肌寒くはありましたが、すぐに乗れて良かったです。
学校に到着したら玄関口を上がると直ぐに長女と別れ、暖房が効いた食堂や体育館で保護者は待つ事ができました。
試験中も駅までのバスが無料で出ており、初めての土地でしたが、駅前のファストフード店で時間調整し、バスで学校に向かい、長女と午前入試の試験終了後の1時に合流しました。
帰りのバスの中で、長女にお昼ご飯どこが良いと聞いたら、長女からかなり頭を使い、お腹も空いたとのことで、駅前にある焼肉屋のランチを食べに行きました。
その日、学校は受験で休みましたが、塾は午後5時からで間に合いそうだったので、長女に行くのかどうかを尋ねると行くと言い、そのまま向かいました。
塾が終わり、長女が帰宅して、しばらくしたら合否発表の午後10時を迎えました。
私が先にネットで長女の受験番号を入力し、画面をクリックすると、「合格おめでとうございます。」と赤字で出て来て、真っ先に妻に伝え、長女には携帯の画面を見せ、「おめでとう。」と伝えたら、大喜びでした。
それから長女は初めての受験で移動疲れや塾の講義もあったので直ぐに寝ました。

そして、1月20日、日能研R4偏差値では長女の持ち偏差値より少し上の千葉にある共学のB中学の午前4科一般、午後理数1科特待入試を受けました。
この学校の集合時間が8時15分で、30分から試験開始で慌ただしく、最寄り駅から歩いて少し時間がかかってしまい、学校にぎりぎりで到着しました。
学校に向かう途中、大きな国道に通じる道に出ると、大型のトラックが頻繁に走り、道幅が狭くて、子供には気をつけて通らないと危ないよと伝えながら向かいました。
午前の入試終了後、長女と合流し、お昼を外で食べようとしたら店がほとんど無く、少し歩いたところの焼肉屋に行き、食べてから学校に戻りました。
受験の合格発表がいずれも当日午後10時発表でしたが、審議中で遅くなるとのことで、11時にようやく発表となりました。
この学校の合格発表は受験番号を合格者の一覧から探す形式でしたが、探したら午前の一般入試は合格、午後の特待は不合格でした。

そして、ついに、2月1日、本命の女子校であるC中学の受験に臨むことになりました。
当日、早朝、試験開始の3時間前に起きるのが目覚めと脳内が活性化されるということで、午前5時に起こそうとしましたが、一向に起きず、午前6時にようやく起きました。
朝ごはんはうどん、みかんにりんごでした。
午前7時に自宅を出発し、最寄り駅には8時に到着しました。
長女からハンカチを自宅に忘れてしまったといわれ、コンビニに行くもないので、ちょうど説明会の時に見かけた雑貨店に向かい、購入しました。
それから緑茶を買い、学校に向かおうとしたら、一瞬、方向を見失い、焦りました。
いったん、来た道を少し戻り、いつもの道に出て向かい、集合時間の10分前に何とか到着し、長女に「今までの努力は本物だ。自信をもって、臨みなさい。そんなあなたは誰よりも最強だ。」と伝え、背中を押し送り出しました。
長女の背中は少し堂々として、自信に満ち溢れ、今までの成果を発揮できれば大丈夫だろうと思いました。
待合室で待っていると、午前と午後にそれぞれ高校3年生が学校で過ごした6年間や受験を振り返ってどうだったのかをプレゼンしてくれました。
妻は自宅で二女と三女を小学校に送り出してから学校に向かい、待合室で合流しました。
午前の各試験が始まって、しばらくすると入り口に試験問題が張り出されたので、内容を確認し、例年と難易度はそう変わらないと感じました。
午前の入試が終わって、長女と合流し、午後入試まで時間があったので、近くのファミレスでお昼ご飯を食べました。
入試の手応えを長女から聞くと、算数、社会はできたものの、国語、理科は自信がないとのことでした。
全体的には概ね受かるくらいの点数は取れたとも言ってきましたが少し不安そうでした。
私は長女に午前の事は忘れ、午後の入試に気持ちを切り替えて臨むように伝え、午後の算数・国語の2科は基礎問題が多く、時間が少ないから気を付けてと言いました。

学校へ戻り、長女は気持ちを新たに午後の入試に臨みました。
私と妻で今日の入試が駄目なら明日も午前、午後と同じ入試を受けようと決めました。
午後の入試が午後5時に終了し、帰り道に出来栄えを尋ねると、算数は概ねできたが、国語の4字熟語などで躓き、時間が足りなくなって、最後まで解けなかったとのことでした。
気分転換も兼ね、お昼休憩した百貨店のゲームコーナーでポケモンカードのガチャを引いて電車で帰宅しました。
電車で帰路に着く中、午前入試の合否結果が午後6時でしたが、長女から発表が少し早まるかもしれないといわれ、発表サイトを見ると10分前に確認できるようになっていました。
私は携帯の発表サイトで長女の受験番号と生年月日を入力した後、長女に携帯を渡して自分で結果を確認するように言いました。
妻も長女の隣で座っており、いざ、長女が携帯をクリックすると、「合格おめでとうございます」と赤字の表示が出てきて、みんなで大喜びでした。
電車の中、小声で、長女に「おめでとう。努力の賜物だね。目標達成できてよかったね。」と伝えました。
それから、直接、塾に報告に行こうと長女に伝え、まっすぐ塾に行き、長女から「先生、C女、受かりました!」と大喜びで報告し、先生方から拍手と労いの言葉を頂き、明日からは更なる飛躍を遂げるよう挑戦だね。」と更なる檄をもらいました。
そして、帰りに、祖母宅にも向かい、結果報告をしました。
夕飯は自宅近くのファミレスでささやかな祝勝会をして団らんし過ごした後、午後の入試の合否結果発表が午後10時でしたが、少し早まるかもしれないとのことで、9時半に確認したらもう合否結果が確認できる状態でした。
午前と同様、長女に携帯を渡し確認したところ、「残念ながら不合格となりました。」という黒字の表示で結果は不合格でした。
午前入試よりも偏差値が一層上がっているので、午後入試は長女より実力受験生が合格したのかなと残念でした。
長女には午前で受かっているので、午後の不合格は気にせず、気持ちを切り替えて、明日から妻の母校に挑戦しようと伝えました。

迎えた2月2日、午前4科は妻母校である女子校のD中学で長女の偏差からかなり上で挑戦校でした。
午前の付き添いと送り出しは妻がはりきってやってくれ、長女も前日の結果を踏まえ、全力で戦い、力を出し切ると意気込み、自宅を出発しました。
私は二女と三女を学校へ送り出してから学校へ向かいました。
午前の試験終了後、長女と合流したら全般的にはそれなりに出来たし手応えもあるからいけるかもしれないと陽気で、力を出し切ったなと感心しました。
私は長女の姿を見て4年間の受験生活を経て心身ともに大きく成長したなと思いました。
私と妻も倍率は2倍で受験層のレベルも前日よりだいぶ上がっている中、長女が力を出し切ってくれたようで良い結果に繋がればと淡い期待を寄せました。
そして午後は共学校のE中学の2科目受験に挑みました。
E中学の偏差値は45程度でしたが、大変、人気校で立地も最寄り駅近くにあり、倍率も3倍で厳しい戦いだと思いました。
長女も受験に慣れてきたのか、国語と算数は午前より難易度が低く、解きやすくはあったと言ってきたので、いけるのではという思いでした。
帰りは最寄り駅前のお肉屋さんに立ち寄り、から揚げを買い、ブースに出店していた和菓子屋でいちごやチョコ大福などの甘味処を買って帰りました。

いずれも合格発表は当日午後9時で、長女は自分でタブレットを操作し受験番号とパスワードを入力した後、自分で確認していました。
すると、「残念ながら、不合格となりました。」という残念な結果となり、落ち込み、私がいずれも挑戦校で偏差値も高く前年度より合格者も少ないよと言っても何も慰めにはならずにふてくされました。
長女から塾担任の先生にいずれも不合格でしたと電話で伝え、私は翌日の午前4科に女子校のF中学、4日の午前4科に妻母校のD中学に再度出願したと長女に伝え、寝ました。

受験三日目の2月3日を迎え、本日もゲン担ぎで、うどんを朝食に用意したら飽きてしまったとのことで、ごはんとみかんに変更となりました。
昨日、挑戦校とはいえ続けざまに不合格となり、長女もかなり意気消沈気味だったので、F中学に行くとき、自宅から最寄り駅までタクシーで行き、電車で移動後もタクシーを利用し、学校に向かい、集合時間の30分前の8時には到着しました。
長女から昨日のリベンジを果たしたいので午前の受験が終わったら塾で昨日の問題の復習がしたいと言ってきました。
明日で受験も最後だろうし、やるならいいよと答え、今日も昨日の事は忘れ、入試に集中し、新しい問題に取り組んで楽しむようにと伝えて送り出しました。
待合室で試験が始まると、校長先生がやってきて、「本日は、昨年より、受験生が50名程度増えて150名です。」と言われ、今年の受験はやはりどこも厳しいなと思いました。
試験終了後、長女と合流し手応えを尋ねると、算数は満点くらいとれ、とても良い出来栄えだったと自信満々でした。
ほかの科目もそれなりにできたそうで、合格発表の5時まで楽しみに待って居ようと長女に伝えました。
学校からの帰り道で焼き肉屋を見つけたので、お昼ご飯は先日同様、焼肉定食を食べてエネルギーを充填しようと言い、お腹いっぱい食べてから帰りました。
アイスを買って自宅に帰り、みんなで食べた後、長女は塾に行って復習するということで、自転車で連れていきました。
私は長女が帰ってきてから合否発表をみようと思い、待っていましたが、妻は先に結果をそそくさとみて確認し、たった71人しか合格していないことだけ知らされました。
長女が6時過ぎに帰宅し、一緒に発表をみて、受験番号を探したら画面の少し下に番号があって合格を確認し、二人で喜びました。
今回は2倍くらいの競争率を勝ち抜いてえた合格で都区内の女子校では2月1日の本命校に続いてだったので、長女も明日の入試に向けてのはずみになったと思いました。
昨日とは違い、良い結果となり、うきうきで長女は塾に受かったと報告しました。

2月4日目、妻母校のD中学とE中学の2科目とプレゼン入試に挑みました。
結果、D中学は不合格、E中学は自己アピールの成果が発揮でき、倍率4倍でしたが、合格でした。
最終的に、家族で相談した結果、父が当初から熱望していたC中学へ入学を決めました。
長きに渡る受験生活で親子ともに波乱万丈、紆余曲折でしたが、長女は最後まで走り切ってゴールに辿り着くことができました。
何よりも最後まで我が子を信じ、何事にも諦めなかったことで、よい結果に繋がり、長女や私たち親にとっても良い経験が出来たと感じました。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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