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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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偏差値26からの大逆転!(2月入試編)

  • 年度:2023
  • 性別:男子
  • 執筆者:
12月24日の日能研全国公開模試の4科目偏差値は26でした。4年生入塾当時の偏差値30から成績は低空飛行を続け5年生時には何度も退室することを考えていました。6年生になってからは受験生活を最後まで完走することだけを目標に切り替え、本人も我慢して通塾を続けました。これはそんな息子の中学受験を家族全員で最後まで諦めずに支え続けた2月入試の記録です。

■2月1日(午前:日大B中、午後:M星中)
いよいよ第一志望校の日大B中の入試まで辿り着くことが出来ました。中学受験の完走が目標だったのでゴールはあと少しです。偏差値的には20足りないのですが私も息子も奇跡を諦めずに挑戦する気持ちで一致していました。M星中は高校が妻の母校で、入塾当時から意識していた学校でした。M星中の面接試験は今後の人生にきっと役立つ貴重な経験をするチャンスです。面接では「もし午前の学校と両方合格したらどちらに入学するつもりですか」と聞かれたそうです。本人は「迷ってます」と回答したそうです。大人な回答が認められたのかM星中からは合格をいただくことが出来ました。

■2月2日(午前:S丘中、午後:日大B中)
S丘中は一つでも合格を体験させてあげたいという親の願いを受け、最後の個人面談で室長先生からご紹介いただいた学校です。過去問対策もして合格出来ると思っていたのに結果は不合格だったので、本人も私も動揺しました。本人によると4科目の手応えは充分だったがアンケート提出があり、志望順位を聞かれたので正直に第五志望と書いてしまったのが敗因ではないかとのことでした。「幼さが仇になる」という失敗をすることが出来ました。

■2月3日(午前:日大B中、午後:日大B中)
今日で受験生活も最終日です。計画通りに自宅を出発することが出来ました。学校隣接の護国寺に本人とお参りをし、校舎の入り口で最後の励ましをしました。彼は笑顔で階段を登っていきましたが、その後ろ姿を見送っていると自然に目頭が熱くなりました。3年間一緒にやり抜くことが出来たという達成感と幼い我が子に無理を強いてしまったという自責の念が入り混じった複雑な感情でした。私はそのまま会社に向かい、ランチ休憩のお弁当と午後受験に向けた励ましは、妻に任せました。すっかり日も暮れた夕方に仕事を慌ただしく片付け、迎えに行きました。日能研の教室で一緒に勉強して仲良くしてくれたお友だちが次々に校舎から出てくるのを見ると、皆んなよく頑張ったな!という気持ちが込み上げてきます。息子も私を見つけると嬉しそうに駆け寄ってきました。護国寺節分祭の出店でご褒美に林檎飴を買って帰宅しました。家族全員で恵方巻とすき焼きを食べ、お互いの苦労を労いながら発表の時間を待ちます。まずは昨日2日の結果を見ます。不合格。。。いよいよ最後となる3日午前、午後の結果を見ます。ともに桜散りました。

息子は私の胸元で泣きました。七度目の不合格でしたが何度経験しても涙は出てきます。「よく頑張ったよ!」と息子を讃え励ましていたところ「明日のH中入試三回目も頑張る!」と彼は前向きになることができたので、H中は1月入試で繰り上げ合格をいただいたことをとうとう本人に伝えました。キョトンとしていましたが、それが本当のことだと理解出来てからは複雑な笑顔に戻ることが出来ました。第一志望へ挑戦し続ける気持ちが失われる可能性を危惧して、今まで伝えられずに過ごしてきた1月入試H中の繰り上げ合格をようやく伝えることができて、私たちも安堵の気持ちになることができました。偏差値的には10以上足りませんでしたが、H中は第二志望だったので、繰り上げ合格でも大変ありがたい合格を手に入れることができました。

中学受験を家族全員で支えてきて一番良かったことは、家族の結束力が強まったことです。本人だけでなくサポートする妻も娘(小3)も共に我慢をし、苦しいときには泣き、最後は笑うことも出来ました。本人も不合格という「挫折」を小学生のうちに七度も経験することが出来ました。その度に泣き、次の入試に向けて気持ちを切り替え再び立ち向かうことができるようになりました。

特に嬉しかったのは、2日午後の日大B中試験の手応えが悪かったとのことで「日大B中の合否結果は見ずに3日の入試に備えて早く寝て準備する」と息子自ら作戦を練って、私に伝えてきたことです。合否発表の22時に不合格を見ると眠りにつくまで時間がかかると考えたのでしょう。2連敗は精神的ダメージも大きいはずです。もし諦めてしまったらそこで試合終了です。しかし息子は最後のワンチャンスに賭ける作戦を自分で考え意思表示してきたのです。親の言われるがまま入塾した当時の面影はもうそこにはありませんでした。これから先は、自分の人生をどう生きるか、自分で考え決められそうです。彼の人生がより一層光り輝くことを願っています。
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