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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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〜東京都市大等々力でのハプニング〜

  • 年度:2024
  • 性別:女子
  • 執筆者:本人
私は帰国子女受験で、東京都市大学等々力中学校を受験しました。都市大等々力の帰国子女受験はとてもハードです。1時間目国語(50分)2時間目作文(80分)3時間目算数(50分)面接までのお昼休憩・昼食(30分)面接(15分)というような感じです。(ちなみに、面接は受験者3人のグループ面接です。)朝の8時半に集合し、午後の3時ごろまでかけて試験を行います。もうこのスケジュールを見ただけでも気持ちが暗くなりますよね。しかし、そんなスケジュールのなか私にある悲劇が訪れます。これから、その悲劇について話したいと思います。

私は朝6時ごろに起きて支度をすませ、家をでて無事に試験会場へつきました。そこで親とは別れ、教室へいくとなんと私のせきはドアの真隣だったんです。もう、皆さんには想像がつくでしょう。そうです、ドアの近くということは、自分の席に冷気が入ってきてしまうんです。私はその時は冷気が入ってきても寒くはなかったので、席で参考書を見たりして試験が始まるまでまっていました。その時間約30分。この30分の間に私は体が冷気で冷やされてしまいました。そのことに私が気づいたのは、1時間目の国語が始まってすぐ。私は、ずっと震えが止まりませんでした。国語を終えると私はすぐさまカイロを取り出し体を温めました。そして、2時間目がやってきました。カイロ効果のおかげか2時間目では落ち着いて試験に臨めました。しかし、それは長くは効かず3時間目の算数では、全身が暑くなりとても汗をかきました。全然汗は止まらなかったです。しかも、その汗は冷えて、また寒気が来る。もうとてもつらかったです。みなさんももう薄々と気づいているかもしれませんが、私はこのとき、「あ、絶対熱だ」と思いました。「この後の面接が終わったらすぐに親に伝えて、早く休もう」ともおもっていました。3時間目を終え、私はやっと一息つくことができました。

しかし、その安心もつかのま。私は大きな油断をしていました。お昼休憩に生徒さんが面接の順番表を持ってきて、それが黒板に張り出されました。私の順番はなんと、、、1番最後!もう、体がぐったりしているというのに1番最後なんてと、何回もおもいました。しかも、自分の面接が終えるまでは親と合流することは不可能なんです。もう、まさに絶望しました。都市大等々力の面接の順番は不思議で受験番号と全く関係がないんです。だから、もうこれは運がなかったとしか言いようがありませんね。お昼休憩が終わるのが13時で面接の順番が早い人は、もうすぐに帰ることができます。けれど、私の面接がはじまるのは15時ごろ。2時間も待たなければなりません。もう、私の体力と精神はズタボロ。この時はとくに精神面的にヤバかったです。トイレでひっそりと涙をこぼしたときもありました。その涙は全然止まらなかったです。そのぐらい、つらかったんです。しかし、私は「この学校に受かるんだ!」と強く思い自分を頑張って励ましました。

やっと2時間がたち、生徒の方に教室まで案内されました。そのとき、私は生徒にある言葉をかけられました。「たくさん待ったね。面接頑張って!」という言葉です。この一言は私のこの2時間のつらさを認めてくれるような言葉でした。この言葉を発した生徒さん本人はそんな深い意味はないと思います。しかし、私にとっては本当に嬉しい言葉でした。この一言で、私はまた嬉しく感動して涙を流しそうになったのですが(実際には少し流した)、切り替えて「いざ!面接へ!」とがんばりました。ですが、私はまたも運が悪く、グループ面接の自分以外の2人のなかの1人にものすごい女の子がいました。先生からの質問にもはっきりと答えられていて、自分のアピールも丁寧にできていて、私も自分のアピールをしようと精一杯頑張りましたが、その女の子との圧倒的な格差をみせつけられたような気がして、精神がボロボロだったのがもっと崩壊するような感じがしました。さすがに面接だったので泣きはしなかったのですが、泣きたくなるような気分でした。面接が終わり、親とも合流し、少し安心しました。安心はしたけれど、私の精神はもうげんかいだったので、泣きながら、親に、今日あったことを話しました。帰り道では号泣してしまい、テストでの悪かった点や後悔している点が次々と頭に思い浮かび、「ああ、この学校は私の合格ラインの学校だったけど、絶対に落ちてしまう」と思い顔がぐしゃぐしゃになるまで泣いていました。

家へ帰宅し、熱をはかるとなんと38.6度。私は、もう落ちたなと思いました。そう思った時は悔しいし悲しいしつらかったです。親も「不合格」だという予感をしながらも「まだ合否はでていないのだからチャンスはあるよ」と励ましてくれました。ですが、私にはこの悔しさはぬぐいきれなかったです。悔しいながらも熱を治すことに努め、合否の出る時間まで待ちました。夜8時。合否が出る時刻がやってきました。恐る恐る受験番号を入れながら、合否を確認すると、そこに映ったのはピンク色の画面と「合格」の文字。私は信じられませんでした。それとともに、本当に感動して号泣でした。「本当にこんな奇跡みたいなことは起きるんだ」「このつらいなか、試験を早退して諦めなくて本当に良かった」と思いました。私は、このときのことを今でも鮮明に思い出せます。涙で始まった地獄が美しい涙で終わるとは全く想像ができませんよね。

そして、この経験を通してこれから受験をするみなさんにつたえたいことがあります。多分みなさんも私とおなじような経験をする人がでてくると思います。そのときは、諦めないで粘って粘って粘り続けてください。今までの努力は絶対に無駄になりません。「熱」というちっぽけな病気のせいで、自分の「合格」を諦められるわけがないです。この受験のためにたくさんやった過去問。先生と一緒にやった授業。今までの日能研での日々を思い出してください。これまでの日々は絶対に力になると思うので、諦めずに戦ってください。辛くても、その先には楽しい未来がまっています。これからのみなさんの成長を応援しています。これからも頑張ってください!
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