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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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最後まで娘を信じて、と言いながらの母の葛藤

  • 年度:2024
  • 性別:女子
  • 執筆者:
中学受験を選択肢の1つに入れてほしいと、おぼろげに考えだしたのは娘が6歳の頃でした。
スイミングスクールの行き帰りに必ず通る、一面ピンクの桜並木を見ながらにっこりする、ピンク大好き娘に「ここの生徒さんは毎日幸せだね」と声をかけたのが始まりでした。

その学校こそ、通塾を開始した新小4の頃から第一志望となっていた日本女子大学附属中学校でした。
もちろん今では、桜並木の話のことなど娘は覚えていませんし、ピンクからも卒業しています。親からも学校名を話に出した事はありませんでした。
夫からは通学に時間がかからない事を条件に、又娘はと言えば、制服がなく自主性の高い校風である事を第一条件としていました。他にもいろいろ希望はありましたが、そうした中で合致するのが日本女子大附属でした(高校から制服がありません)。
本来目標が定まって受験を目指すのは喜ばしい事だと思いますが、この本人のこだわりこそが、その後の母の3年間の苦悩の始まりでした。

中学受験ではお気に入り校をたくさん作って、どんな結果でも前向きに進学できるのが理想と言われます。しかし娘は第一志望へのこだわりの強さからか、他校の見学どころか資料を見る事さえ全て拒否する始末。又学校のお友達で受験する子はいなかったので、5年生までは塾のない日は土日も夕方まで毎日遊んでいる状況でした。当然のこととして、勉強時間の不足により成績は思うように伸びません。そうした様子は、親として心配でしかありませんでした。

小6になりようやく学校見学を始めたのですが、この学校もなかなか素敵だなと思えたのは、結局カリタス女子中学校と桐光学園女子部の2校だけでした。本命校へのこだわりがあまりにも強く、他校に関しては比較減点方式で見てしまうというのが原因です。

一方娘の日能研全国公開模試の偏差値だと、日本女子大附属はチャレンジ校でカリタス女子は4教科受験であれば、合格の可能性もあるという状況。但し2教科での受験日程では、やはりチャレンジ校という結果に…。
尚、桐光学園女子部とは偏差値的に開きがあるため、できればその中間にお気に入りの学校を作って欲しいと思っていたのですが、その様に導いていくだけの情報を親の方が提示しきれなかった。又、5年生まで遊びを許容し過ぎたことがいけなかったのでは、という後悔が常に付き纏いました。

受験日程も娘の強い希望で日本女子大附属を最優先で組みました。その結果、4教科受験を勧められていたカリタス女子は2教科受験となり、残念ながら不合格に…。又、日本女子大附属も不合格と言う結果となってしまいました。尚、桐光学園は3年間学費免除の特待生での合格となりました。

娘は、日本女子大附属の不合格はショックのようでしたが、桐光学園への入学に向けて気持ちは既に切り替わり、万が一カリタス女子から繰り上げ合格の連絡が来ても断って欲しいと言っていました。3年間授業料免除の特待生という事は、ほぼトップ合格だったのではと思うと、もう少し実力相応校を作ってあげられたら…と、母としてはやはり後悔が付き纏います。

娘はとっくに忘れているのに、あの時の桜並木の話が、無自覚に日本女子大附属へのだわりとなってしまったのかもしれないと思うと、晴れ晴れとした娘の姿とは違い、私の中にはいろいろな思いが錯綜していました。

そうこうしている中、発表から数日経ったある日、あの日本女子大附属から「何と繰り上げ合格の連絡が…」。
結果的に、娘の希望が叶う形となりました。

母は感動から号泣しましたが娘本人は「うん結構出来てたしね!何しろ私強運だから!」と最後まで笑顔。受験期間中も母より終始落ち着いていた娘。中学受験を通して養われたのか、娘の精神力に感嘆しました。私の親業はおそらく未熟なものだったのだと思います。子どもに任せて自主性をと言いつつ、内心はオロオロとして動揺を隠しきれず、情報戦でも役立たずな親だったように思います。

これから受験を迎える皆さま、子どもは驚くほど成長していきます。ぜひ信じて見守ってあげてください。お子さまの希望が叶いますよう心より願っております。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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