※お子さんの偏差値が45以上ある方は、スルーしていただいて全く問題ない体験談です。
娘は新小学5年生になるタイミングで日能研に入塾したため、特に算数は大きく劣後した状態からのスタートとなった。
その後周囲に追い付き追い越したか、というとそんな瞬間は一度もなく、育成テストの評価は「3」のことも多く、偏差値も40に届けば良い方。算数以外の教科も社会以外はどんぐりの背比べという状況が、結局受験直前まで続いた。
お子さんを私立中学に通わせている親御さんからは「夏休み明けから目の色が変わった」だの、「過去問を解き始めてから本気モードになった」だのと耳にしていたが、我が家ではそんな出来事にはついぞ出会わなかったし、塾からは「第一志望に受かる確率は2~3割」と言われる始末だった。持ち偏差値よりだいぶ上の学校なので、そう言われても仕方がない・・・。
そんな状況で迎えた1月受験。
受験した2校中1校では、なんと算数15点を叩き出した。
母としては、模試で似たような数字を見ていたので免疫が付いていたが、仰天したのはこれまであまり関わってこなかった父親だ。
父親は中学受験の経験はなかったが受験算数は得意なようで、志望校の過去問や『栄冠への道』などを駆使し、必死にサポートしてくれた。(夫君、登場するの、遅。)
2月に受験予定の学校は3校で、全て持ち偏差値以上。不安しかない中、2月入試が始まった。
2/1午前は第二志望を受験。
当日、会場入りする前に先生方がzoomで応援してくださり、リラックスして臨めたようだった。
この学校は過去問で合格最低点は超えていたので期待しつつも、何が起こるか分からないという不安もあった。
18時の結果発表まで気を紛らわしながら過ごしたが、かつてこんなにも18時を待ち遠しく感じたことはなかった。
17時59分、脈が乱れるほど緊張しながら時計とにらめっこし、いよいよ発表時刻の18時、スマホで「結果発表」のボタンを押した次の画面に・・・
「合格おめでとうございます」
の文字。
母一人、「よし!よし!!」とガッツポーズ。涙がこぼれて止まらなかった。
塾にいる娘に電話で合格を伝え、「これを弾みに第一志望の合格を勝ち取りに行こう!」と気合を入れたが・・・。
翌日以降は、2/2午前・午後に第一志望、2/3午前に第三志望、2/4午前に第一志望を受験するも、全て不合格。
体力的にも精神的にもかなりしんどいのではと思ったが、娘は涙を見せることも落ち込むこともなく、試験の見直しや父親からの課題をこなすために、試験後は毎日淡々と塾に通った。
ついに2/5、第一志望を受験できる最後のチャンスの日。
受験会場で、待つことしかできない親は本当に落ち着かなかったが、試験終了後に出てきた娘は「今までで一番できた」と手応えのあった様子。
しかし塾からは、「お子さんの”できた”や”できなかった”は信用しないように」と言われていたため、曖昧に笑ってやり過ごした。
そして迎えた合格発表の時刻。
合格者が一覧で表示される形式だったため、目を凝らして番号を探すと・・・
あった!娘の番号があった!!間違いじゃないかと何度も確認したが、確かに娘の番号だ。これには娘と抱き合って号泣した。
娘が持ち帰った試験問題を見た父親が言うには、算数の大問は娘が苦手とする食塩水の応用問題だったようだ。試験数日前は基礎的なことも間違ってしまう(理解はしているがアウトプットできない)状況だったが、本番では応用問題をしっかりと順序立てて考え正解を導き出せていた、とのことだった。
恐らくこれまで塾で教わり続けてきたことが、父親の一押しで急速に理解が深まり、本試験で応用を利かせられるようになったのだろう。
塾からは「当日まで伸びる子もいる」と聞いていたが、娘はむしろ当日「に」伸びたタイプだった。
天王山の夏が過ぎても、過去問を解き始める秋になっても、年が明けても変化のなかった娘が教えてくれたのは、最後まで諦めてはいけない、という何よりも大切なメッセージだった。
いま合格を目指しているお子さんも親御さんも、「できない」「伸びない」と落ち込んで焦ってケンカして泣いて、辛い思いをしているかもしれない。それでも試験当日の終了のチャイムが鳴るまで、絶対に絶対に諦めないでほしい。
算数15点から第一志望合格を掴み取ったような大逆転劇が、起こるかもしれないのだから。
(本番ギリギリまで15点でも絶対に大丈夫です!という話ではありません)
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日能研の先生方へ。
娘は基礎がなかなか身につかず、ご心配をおかけすることが多々多々多々あったと思いますが、最後まで根気強く支えてくださったおかげで、合格を手にすることができました。
改めて心より感謝申し上げます。
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- 今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。