まさに私は、その時刻をむかえようとしている。そう、今日は2月1日にあった息子の第一志望校の合格発表が学校HPに載る日である。私はスマホの画面を握りしめる。
12月1月の受験を経て、入試会場にむかう朝も各校の合格発表の瞬間も少しの緊張はあるものの、むしろ、その日を迎えられた事への感謝の気持ちとわくわく感が備わってきた。勿論、念入りの前日準備と慎重さは忘れずにだが。
しかし、今日の第一志望校の合格発表に私は落ち着かない。というのも今朝、2月に入り3日目の入試に臨む息子に「今日の試験(合格)とるから、1日の発表の合格はママに任せた」と言われ、咄嗟に「任せて」と私は返してしまった。息子は入試会場である志望校の正門に入ると「じゃあ、またね」と私を振り返りもせず、正門近くで誘導している志望校の先生に朝の挨拶をし行ってしまった。2月の1日目の受験に関して、現時点で私が出来る事は既にないのに?と思った。息子は試験の度にあそこがねぇ等と私に聞こえるように自己反省を始める。それは、時より私を不安にさせていた。
もしも、第一志望が不合格の場合の動きとして、第二志望校の入学金入金の締切時間や手続の流れも確認し、スマホを握り直し、合格発表画面に全集中。迫り来る瞬間に「神様、どうか息子を○○中へお願いします」と念じながらポチりと深く画面を押した。「No○○○」と息子の受験番号を唱えた。あった、あった!飛び跳ねた。「やった~がんばったね」と口にしながら渾身のガッツポーズが自然と出た。更に、目から溢れるものがあった。久しく流してないが嬉し涙だ。その後、安堵し、また泣いた。第一志望校に合格を出来た事、きっと私は一生忘れない。私達だけでは勝ち取れなかった結果である。そして、校舎の室長先生に報告をした。先生からは「本当に良かった。おめでとうございます」労いの言葉を頂いた。
私は3日目の受験を終えたばかりの晴れやかな顔の息子と再会し、第一志望の合格を伝えると、息子は「受かってホッとした。日能研の先生最強!会いたい」っと言い照れ笑いをした。その姿に、日能研本科(日特含)とユリウスを通いとおした結果として、受験校全校の合格を勝ち取れたと確信した。
と同時に、模試の復習をしない息子に怒った私、エンジンがかからない息子にやきもきした私・・・思えば母である私が受験への過程で悪い方向へ沼化していた気がする。息子をもっと信じていれば良かったのに。息子は、その時々の状況で目標を決めたりし、入試本番までの道筋、自分自身で合格へのロードを築けていたのだ。
ふと気づき、合格証を手にした息子を見ると、息子は第一志望校の校舎の上の方を見上げ「やっぱり格好いいね。ペンと剣」と呟き「ママがんばったね。お疲れさま」とペコっとおじぎをした。息子につられ見上げると、確かに建物に刻まれたエンブレムがとても格好いい。もっと見上げた空が青かった。私も息子へ「おめでとう。そしてありがとう」と言い、頭を下げた。お互いに照れくささと、嬉しさと、これからの希望が混ざりあった気持ちで胸がいっぱいになった。今度は中学生である。
紆余曲折あったが、最高のかたちで中学入試にピリオドが打てた気がする。以上が合格談です。
最後になりますが、通っていた校舎の先生方は、常に子どもファーストのお考えでした。その真摯な姿勢に、私は尊敬をしていました。大人が子どもの意見をきく耳、心をもつ寛容さ、大切さを改めて先生方から教えて頂きました。それは、子どもにとって心強く、学力向上は勿論、自信や冷静さが培われたと思われます。灘中受験の算数が楽しみになったり、各校受験の際も息子は落ち着いて臨んでいました。息子曰く、室長先生や他の先生方が魔法のことばを掛けてくれ、その言葉が試験中の己(息子自身)の弱さや迷いに打ち勝つ力(合格への原動力)となったと話していました。
このような経験を通して、中学受験とは、厳しく辛い事柄だけではなく、塾の先生方、学校の先生方、友達に支えて頂き、かつ、志望する私学の先生からさえも温かく応援頂ける素晴らしいものだと入試を終え、私は率直に思いました。
日能研で学ばさせて頂いたことは息子にとって宝物であり、長期にわたり息子を支えて頂きましたことに、深く感謝とお礼を申し上げます。
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