昔からへそまがりな息子くん。親の勧めに頷くこともないし、なにかに一生懸命頑張ることは苦手でした。
そんな息子が兄を追って入ったのが日能研。フルタイムで働く母に代わり、本人が大好きで頼っていたのは2歳差のお兄ちゃんです。勉強はともかく、3年生・4年生は楽しく通えました。兄の進学があり、志望校を考え始めたのが5年生。この頃、学校説明会や文化祭に足を運びましたが、本人はへそまがりを発揮するので、気が向かなければ寝ていたり、脱走したり。相変わらず受験は他人事でした。それでも本人が「広くていいかも」と言って選んだ志望校はA校。B校は気乗りしないようなので、兄が通うC校を併願校に考え、受験生となる6年生を迎えました。
算数が得意で国語が苦手な典型的男子の息子は、6年生になってからさらに拍車がかかりました。理科も好き、社会は苦手。できれば苦手なところをやるべきでしょうが、国語対策は難しく、自宅で塾から出された各教科の課題をこなせば算数の力が伸びる状況。しょうがない。自宅で兄や父と一緒に楽しそうに算数を解いている姿を横目にみながら、社会の追い上げに力をいれた夏休みを越え、後期に待っていたのが過去問でした。志望校のA校は記述がかなりの量であり、過去問を解いては国語の先生に見てもらう日々。
受験も近づいてきた11月のある日、息子は「国語の先生からB校かD校も受けてみたら、と言われた。B校を受けたい。C校は後の日程で受ける」と塾から帰ってきました。6年生の後期ではD校の日特に通っていましたが、えっ?B校を受験・・・?!私には青天の霹靂。教室へ連絡したら、ここ数年来お世話になっている学習スタッフさんがその日すぐに時間を作ってくれました。夫も含め、この時期に改めて併願校の相談です。今の塾での様子を改めて聞くことができました。本人になぜ受けたいか再度確認すると、「塾で友達からB校の算数過去問を見せてもらった、楽しそうだから解いてみたい。第一志望はA校のままだけど。」との答えが。いつもA校の対策研究講座に一緒に通っていた友達から刺激を受けたことはわかります。試験日程的には2つとも受験可能・・・。入学後のA校・B校はどちらも中学の授業が面白いはず・・・。親としては色々悩みつつ、本人の頑張り次第だし、受ける学校は最終1月に決められるからと、まずはB校の過去問に取り組んでみました。スイッチが入ったのか、苦手な教科も進んで頑張る様子もみられ、国語の先生との面談はその後B校の過去問中心に。冬期講習前、ここまでの本人の頑張りからこのまま二兎を追うことに決定しました。
2月1日、最初はB校です。1月の入試の様子から早めに会場に着いても緊張はなさそうと判断し、混雑を避ける電車を選んで最寄り駅へ。道中「もっと過去問したかったな」と少し弱気な息子を連れて行ったら、学校到着一番のりになりました。さすがに早すぎて失敗したかなと思いましたが、入試の取材に来ていた新聞記者から声をかけられ、息子は「いいよ」と迷わず返答。「緊張しているけれど、どんな問題が出るか楽しみでもある。自分の実力を出して頑張りたい」堂々とした受け答えでした。
翌日2日は最後まで過去問で苦労したA校の受験日。Zoomで繋がった日能研の教室のスタッフ・先生から「何が楽しみ?」と聞かれ、本人は「理科の問題」と答えていました。算数もじゃないかしら?と隣で思いつつ、本人の性格をよくわかった上で最後まで応援してくれた日能研の皆様に感謝。到着した学校の会場ではこちらが声をかける前に「頑張ってくる、行ってきます!」と階段を登っていきました。終わったあとは、めんどくさい問題が出たやら、社会の記述が多いやらブツブツ言って自信なさげでしたが、この日はひとまず1日校のB校の発表。結果は合格!入試まで時間がない中、本人のやる気アップのためにと受験を決めた学校です。ちなみに受験を決めたときに本人から「学校は嫌じゃなかった、文化祭のときに参加したかったものに行けなくて拗ねた」と聞いておりました。もし、もう1回くらい学校に連れて行く機会があれば、冬にこんなにバタバタと準備せずに済んだかもしれません。なんとかギリギリ咲いた学校ですが、本人は大喜びです。
翌日はA校の発表。3日目の入試帰りであったこともあり、外での確認になりました。自信がない本人は、結果をみて、まさか・・・と少しフリーズ。結果は合格でした!「やった」との言葉が出てからは、ニコニコです。目指す志望校の追加変更で、合格へ遠回りになるんじゃないか・・・と私の不安はありましたが、家族や塾の先生たちに見守られ、友達と切磋琢磨して自分のやりたいことを貫いた本人は志望校の合格をつかみとりました。
受験が終わった今、今日も兄弟は二人一緒に寝転んでタブレットを覗き込んでいます。本人の兄好きは今後も変わらなさそうですが、日能研で自分の教室や外の教室などで新たな出会いがあり、少しずつ広がっていった息子の世界。ここまで信頼できるたくさんの人との出会いが支えになって道が開けていったように、今後も多くの人に出会って、また世界が広がるのでしょう。これからもたくさんの刺激を受けて、色々なことを楽しんでもらいたいと思っています。
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