我が家の受験は、5年生の2月、新6年生のスタートと同時に転塾という大きな決断から始まりました。
個別塾から日能研への転塾。環境を変えることは、想像以上に勇気のいる選択でした。
新しい教室の前で、少し緊張した面持ちで立っていた娘の姿。
「大丈夫だよ」と声をかけながらも、本当に大丈夫なのか不安だったのは、きっと私の方でした。
「この選択は本当に正しかったのだろうか」と何度も自問しましたが、先生方の温かい声かけと仲間の存在に支えられ、少しずつ居場所ができていきました。
6年生の夏は、間違いなく一番苦しい時間でした。
思うように伸びない成績。募る焦り。
ある夜、「私、みんなみたいに乗り越えられないかもしれない」と涙を流しました。
励ますべきか、そっと寄り添うべきか。親として何が正解なのか分からず、ただ隣に座ることしかできませんでした。「強くなってほしい、でも無理はしてほしくない」…揺れ続ける自分自身とも向き合う時間でした。
そんな中、室長からいただいた「頑張って良かったと思える夏にしよう」という言葉が、娘の心に灯をともしてくれました。その言葉を胸に、苦しくても机に向かい続ける姿は、少しずつ確かな強さへと変わっていきました。
そして11月。
長く伸び悩んでいた成績に、ようやく光が見え始めました。
安堵したのも束の間、今度は「ここまで来たのに」というプレッシャーに押しつぶされそうになる娘。
伸び悩みも、伸び始めた不安も、どちらも受験と真剣に向き合っていた証でした。
合格発表の日。
第一志望校の「合格」の文字を見た瞬間、私の口から出たのは「おめでとう」と「すごい!」の言葉でした。
それは結果への称賛ではなく、最後まで歩みを止めなかった娘への心からの祝福でした。
受験後、持ち帰った問題用紙を何気なく見ていたときのことです。
4科目すべての問題用紙の一番上に、小さく震える字でこう書いてありました。
「大丈夫」
試験会場でどれほど緊張していたのか。どれほど自分を奮い立たせていたのか。私の知らないところで、娘は何度も自分に言い聞かせていたのです。
あの苦しかった夏も、揺れた11月も、すべてはこの一言につながっていたのだと思いました。
栄冠とは、合格という結果だけではなく、不安を抱えながらも前を向き、震える手で「大丈夫」と書ける強さを持てたこと。その時間そのものなのだと感じています。
受験を通して成長したのは、娘だけではありません。見守ることの難しさ、信じて待つことの大切さを、私自身も学びました。あの2月の決断も、苦しかった夏も、すべてが今日につながっています。
どんな時も、子どもだけでなく親の心まで支えてくださった日能研の先生方に、心から感謝申し上げます。
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