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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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35年間待ちました

  • 年度:2025
  • 性別:男子
  • 執筆者:
何十年も生きていますと、聞きたくない言葉、思い出したくないことがあるものです。
あの自分が受験した中学受験。数えますと35年も前のことになります。

埼玉県南部に住んでおりました。なぜかいまだに分かりませんが、東京都内にある大学付属の中学校を3校受験しました。「大学受験になると、全国の優秀な人が東京を目指してやってくるから勝ち目がない。今のうちに大学付属の中学校に入学しよう」が母の口ぐせでした。
受験の準備としては、小学校4年生から塾に通っており、個人の経営している自宅付近の塾と大手塾のやっている日曜テストを受けて、そこそこ合格可能性がある状況ではありました。

2月1日~3日の3日間の受験です。どの学校も良い学校で、どこに受かっても喜んで通うつもりでした。どこかには、引っ掛かるだろうと思っていたため、滑り止めという概念もなく、自己偏差値の上下を受験する垂直受験という概念は思いもしませんでした。
なお、その当時も千葉県内の入試は1月中旬の入試もあり、試験慣れに受けに行く人もいましたが、付属校ではない進学校であるため、通う気の無い学校を受験することは全く頭にありませんでした。

1年ほど前になりますが、昭和と令和の違いをクローズアップしたドラマが放送され大変話題になり、流行語大賞にも選ばれました。もしかしたら、中学受験の常識も今から思えば昭和は不適切と言いますか、ベストでない方法を取っていたように思えるのです。

さて、ここまで、お読みいただいた方には、だいたい私の受験結果については、想像がついていると思います。3連敗でした。しかも、2月1日は東京に大雪が降った日でもあり、前乗りして近所に宿泊するなどと言うこともない時代であったため、朝早くから動くかどうか分からない満員電車でサラリーマンに押しつぶされながら会場に向かった苦い思い出があります。
先日、動画サイトで調べたところ、当日のお昼のNHKニュースがアップされていて、大雪で首都圏が大混乱になっていました。
受験生は、みんな条件は同じであり、それで差がついたともいう気はありませんが、結果として初日の動揺から立て直すことが出来ずに3連敗となりました。3つ並んだ黒星、それ以降、串に刺さった黒い3つのゴマ団子は嫌いで食べたことはありません。また、ストレート負けを指す「スイーブ」という言葉があります。ホウキで相手チームを掃き出すという意味だそうですが、雪かきとともに、私も掃き出されたようで、この言葉を耳にするたびに、嫌な気持ちになります。

こんな、学歴コンプレックスを持っている父ですから、息子にはそういう思いはさせたくないと思っておりました。
中学受験をすることになり、一番大事なこととして、塾選びがありました。人生経験を積んできて感じることは、業界トップレベルの老舗が持っているノウハウは、非常に貴重であるということです。日能研は中学受験専門でそのノウハウは、昭和の常識しか持っていない私にとって、目からうろこでした。

垂直受験をはじめ、慣らし受験、傾向の似ている受験校など的確なアドバイスとカリキュラムで、親子ともども導いていただきました。

おかげで、息子は受験した学校すべてに合格できました。その中には、私が不合格だった学校も含まれています。
「かたき討ちはしたからね。でも第一志望じゃないから通わないけど」と言う息子。35年前の自分に分けてもらえたら良かったのにと思いますが、私にとっては、息子にも同じ挫折感を経験させることがなくて良かったというのが息子の中学受験の総括です。

私が中学受験に抱いていたコンプレックスは、35年という途方もない時間を経て、雪解けのように解消されたのでした。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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