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親と子の栄冠ドラマ -中学入試体験記-

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「受動」から「能動」へ進化、そして迎えた受験本番・・・

  • 年度:2025
  • 性別:男子
  • 執筆者:
東海地方の私立中学からD大学を経て、大企業に就職した私への対抗意識?からなのか、「お父さん以上の大学を出てJAXAに入るために中学受験したい」と言ってきたので、新5年生のタイミングで日能研に入った息子の奮闘記を書かせて頂きます。

<入塾からMクラス昇格まで>
元々記憶力がよかったうえに就学前は他塾で勉強していたため、自信満々で受けた入塾テストだったが、結果はA1クラス・・・。今思えば当然のことながら、当時は親子でショックでした。その後4月にはA2にクラスアップしたものの、なかなかMクラスには上がれないまま新学年ガイダンスを迎える事になりました。このままではマズイと思い、春期講習時は開講前から自習室に通わせたことで4月のテストや日能研全国公開模試で好成績が続き、5月からはMクラスに上がることが出来ました。思えばこれが最初の成功体験だったのではないでしょうか。

<受験生モードに入った夏休み>
始めの1カ月は成績がMクラス目安を下回る危機的状況が続いたものの、何とか持ち直して迎えた夏休み、志望校に合格するには基礎固めが出来る最後のチャンスです。そこで「何かを得るためには、代わりに何かを捨てなきゃいけない」と息子を説得し、受験が終わるまでプレステをお預けにしました。そして午前中は自習室&午後は夏期講習で毎日10時間勉強する事を目標としましたが、息子は何とかそれをやり通しました。かつて大学受験前の夏休み、私も同じく毎日10時間勉強した事は今でもよく頑張ったと誇りに思っているので、息子もやり切れた事は自信につながったと思います。

<自らの意思で塾に通い詰めた冬休み>
いよいよ本番直前モードに入って来た冬休み、過去問演習ではリアルに合否判定が出るのでやる気が出るのでしょう、私が何も言わなくても朝から塾へ自習しに行きました。私がいつどの学校の過去問をやるかの計画を立てましたが、それをほぼ忠実にやり切っており、かつおおむね合格基準点を超える結果だったため、気力がみなぎっていた感じでした。自ら進んで勉強をするまでに成長した息子を見て、まだ戦いはこれからなのですが、親としては既に達成感を感じてしまいました。

<いざ本番を迎えると、予想外の展開に・・・>
息子と並走しながら1年掛けて練ってきた受験計画は以下の通りです。
1/10AM:OK校1回入試(実力相応)
1/10PM:SS校2回入試(安全)
1/11:SH校A難関大入試(チャンレンジ)
1/12:OK校特待性選抜入試(チャンレンジ)
1/14:OK校2回入試(実力相応)
1/16:SH校B難関大入試(チャンレジ)
1/18:SH校東大II入試(超チャレンジ)
定石通り初日には確実に合格を取り、余裕をもって本命のSH校に挑む作戦でした。

1/10、まずはここまで体調を崩さずに今日を迎えられたことに安堵と感謝。程よい緊張感の中で多少表情が固いながらも、いつもと変わらない様子で戦いの場に向かっていく後ろ姿を見送る際、もう親としては何も出来ないもどかしさを感じましたが、帰ってきた時には「まぁまぁかな、たぶん大丈夫」の一言にホッとしました。その後PM受験もそつなくこなし、翌日に備えて息子を寝かせた後にSS校の合格発表を確認すると、予定通り“合格”。しかし開示された得点と合格基準点を確認すると、なんと1点上回っただけ!嬉しさは一気に吹き飛び、不安が押し寄せました・・・。
そして迎えた翌日、息子を送り出した後に自宅へ戻り、昨日のOK校の発表をドキドキしながら開いた結果は“不合格”、不安が的中してしまいました。迎えに行った際に息子に結果を知らせると、実は雰囲気にのまれたようで全然手応えがなかったものの、親を安心させようと虚勢を張っていたとのこと。「そんな気遣いせんと正直に言えや!」と思いつつ、感情を抑えながら励ましの言葉をかけて、何とか気持ちを切替えさせようと必死でした。

1/12、前日同様に自宅に戻ってから合格発表を確認。ココのクイズ研究部に入るのを目標として、色々なものを犠牲にして勉強してきたのだが、結果は“不合格”・・・妻は顔を手で覆って泣き出してしまいました。息子にも伝えてそのまま塾へ行って反省と翌日以降のアドバイスをもらいましたが、もう不安しかなく、今思い返せばコが“底”の状態でしたね。

翌日、祈るような気持ちで結果を確認すると、“合格”の文字が!その後妻は30分程嬉し泣きを続けたようです(笑)私も仕事から帰宅するやいなや息子とハイタッチを交わし、ようやく家中に笑顔が溢れました。そのままの勢いで1/14も合格を取り、いよいよ迎えた1/16の本命校B難関大入試。初日とは違って今回は手応えがあったものの、結果はまたも“不合格”。さすがに息子もショックが大きかったようで、1時間程泣き伏せっていたようです。でも翌日にはSH校への最後の挑戦が控えているため、気持ちを奮い立たせて挑ませましたが、さすがに高い壁に弾かれてしまいました。
その後もう一つの本命・東京のHG校にも二度チャレンジしたものの、残念ながら不合格でした。いい流れで直前の冬休みを経過して本番に臨めたと思ったのだが、最終的には3勝6敗という予想外の悔しい結果になってしまいました。どこまで本音かはわからないが、それでも本人は出し切ったと言っているので、そこは尊重してあげたいと思います。

<今後に向けての教訓とみなさんへのアドバイス>
自宅や自習室といった慣れ親しんだ環境で解いた過去問演習で高い点数を取ったところで、本番独特の張り詰めた環境下では、十分に実力が発揮できない事があるという、貴重な経験が出来たと前向きに捉え、今後は単なる学力だけではなく精神的な内面の強さも鍛えていく必要があると気付かされました。何れにせよ自分の意志で能動的に行動していかなければ克服できないでしょう。親としては陰ながら見守るしかできないですが、ここまでの頑張りは絶対無駄ではないし、真剣に中学受験に取り組んだという経験は今後の人生において間違いなく「糧」となるので、今後の更なる成長を期待しています。

これから受験を迎えるみなさん、うまくいかずに辛い事がたくさんあるだろうし、これからもっとあるかと思いますが、必ず受験には終わりが来るので、それまで辛抱して走り切って下さい。多くの皆さんにすがすがしい春が訪れることを願っています。
最後にお世話になった日能研の先生方、息子をここまで成長させて頂いたことに感謝申し上げます。2年間ありがとうございました。
今後も寄せられたドラマを、各カテゴリーに随時アップしていきます。
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