学習指導要領改訂。授業時間は増えたけれど・・・

当たり前のこと、答えがすでに決まっているもの、答えがひとつしかないものを、ただひたすら覚えるだけ、覚えたことを確認するだけ。そんな勉強から、子どもたちの「あっ、そうか!」という発見や「すごい!」ってワクワクする感動は生まれるはずもありません。覚えたことにそって問題を解き、正解を導き出す。間違えることはダメ。できて普通。これでは気持ちが動くわけがない。楽しいと感じるわけがありません。
現代社会は激しい変化と多様性に満ちています。子どもたちはその動きの意味をすべて理解しているわけではないでしょうが、頬に受ける風の強さを感じとる感性はきちんと備えています。それなのに、なぜ゜いまだに「知識の量」だけを重視した学び方なのか。その学びが本当に今求められているのか、これから子どもたちが作っていく豊かな未来へとつながっていくのか、大きな疑問をぬぐい去ることができません。

TIMSS「算数/理科の勉強は楽しい」に対し「強くそう思う」と答えた児童の割合(小学校4年)

2011年、学習指導要領が改訂され算数や理科の授業時間数は増えました。PISAとTIMSSの結果に衝撃を受けた日本政府は、子どもたちの学力や学習意欲低下の原因を「ゆとり教育」にあったとして、減らし続けてきた授業時間数を約30年ぶりに増加させたのです。一方で「生きる力」の育成を目指した「総合的な学習の時間」は削減・・・。

いったいふたつの調査結果をみて真に取り組むべきことは何なのか。
日本の教育の責任者は子どもたちにどんな未来を託そうとしているのか。
その施策を親も子も素直に信じてついて行っていいものなのか。

慎重に判断すべき時が近づいています。

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  1. PISAとTIMSS
  2. 新しい学力観をみるPISA
  3. 勉強が楽しくないという日本の子どもたち
  4. 学習指導要領改訂。授業時間は増えたけれど・・・