出題校にインタビュー!
普連土学園中学校
2014年07月掲載
普連土学園中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.記述問題は「字数制限なし」を前向きにとらえよう
インタビュー2/3
記述問題は正解の根拠を見つけられる読解力を問う
大井先生 本校の入試は伝統的に記述問題が多いのですが、それは記述する意志、気力のあるお子さんに入学してもらいたいという思いがあります。自分の考えを書くことは将来必要な力ですから、いまのうちから書くことに主体的に取り組んでもらいたいと思います。
「書く」という作業を行うことで記憶に残りやすいですし、書いているうちに考えもまとまります。「考える」ことと「書く」ことは連動していますから、「考えて書く」という習慣を身につけてほしいと思います。
書くためには何を書くべきかを考えなければならず、それだけ「読む」ことをしなければなりません。本校の記述問題は、正解の根拠を見つけられること、すなわち読解力を大事にしたいと思っています。
普連土学園中学校 先生
必要事項の取捨選択は、入学してから鍛える
大井先生 自分の意見をまとめるときに、「字数制限する」ということは、「必要事項を取捨選択する」というもう一段階上のレベルが要求されます。本来は適切にまとめてもらいたいし、最終的にはそのレベルに達することを目標にしていますが、小学生の段階では、その要求は“緩やか”でよいのではないかと思います。それ以上に表現しようという意欲を評価したいと思います。
解答欄にマスがないことに戸惑う子どももいるでしょうが、要素の取捨選択を厳密に行わなくてもよいことで記述のハードルが下がっていると思えば、取り組みやすくなるのではないでしょうか。
蓮見先生 60分という入試時間の中で、文章題を2題解かなければなりません。その中で字数制限してしまうと最後まで解くことができないのではないか。こちらとしては、最後まで問題を解いてほしいという思いが強いですね。
大井先生 入試が終わったらそれで忘れてしまうのではなく、何かしら印象に残るものであってほしいと思って素材文を選んでいます。ですから最後まで問題を解いて、「そういうことか」と思ってもらえるようにしたいですね。
余計な要素があるのは、きちんと読めていないということ
大井先生 記述の中には、正解に必要な要素は入っているけれど、きちんと理解しているのかどうかの判断に悩む答案があります。これは採点の課題の1つです。
採点していて「これがなければ正解なのに」という答案が結構あります。本人としてはわかっているのかもしれないけれど、どうしてこの部分を加えてしまったのだろうと首を傾げることがよくあります。必要な要素が入っていても、余計なことが書かれていることで論理が成り立たない場合は不正解になります。
大井先生 そうですね。それは厳しい見方をすれば「きちんと読めていない」ということになります。余計なものをそぎ落とした形に近い答案を求めながらも、間違いを書いてはいないけれど、余計な要素が入っている答案をどのように評価するか、それは採点していて悩ましいところです。
普連土学園中学校
指定されたキーワードから作者の意図をつかめ
貴校の記述問題は、ここ数年「キーワード指定」の問題が増えたように思います。
谷田貝先生 意図してそうしているわけではないのですが、これについて答えさせたいけれど、自由記述では難しすぎるし、選択問題ではつまらない。すると結果的にキーワードを指定したり、文章中の空欄を埋める形式になります。こちらである程度限定しないと解けなくなっているということでもあります。キーワードを指定することで出題意図が少しでもわかれば取り組みやすくなるのではないかと思っています。
大井先生 キーワードがあることで、受験生が投げ出さずに書いてくれている印象はあります。
インタビュー2/3