"折れない心”を育てる6年間とは…

  • Vol. 1632 : 2018/03/21

芝中学校男子校

芝中学の校長先生とお話する機会がありました。

「最近の生徒を見ていると、“心が折れやすい”と感じる。」
「親の庇護のもとに過ごす小学校までが第1の人生。中学高校の6年間が第2の人生とすると、この第2の人生で “折れない心” を育て、第3の人生、つまり社会に送り出したい。」


こんな話が先生からありました。
では芝中学では、 “折れない心” を育てるために、先生方はどのように子ども達と関わっているのでしょうか?

芝中学のなりたちは、1887(明治20)年に設立された浄土宗学東京支校。1906年に芝中学になりました。
校訓は、第3代校長の渡邊海旭先生が示された 『遵法自治』
『遵法』 とは法に従うこと、つまり全世界や宇宙の法、永遠の真理などに逆らわずに生きること。
『自治』 とは、自主・自立の態度で自分を治めることです。

難しい年頃の男子が1800名もいれば、性格や成長のしかたなど、色々な生徒がいるでしょうし、ぶつかること・躓くこともあるでしょう。
『遵法自治』 の校訓が示す通り、先生があれやこれやと指示したり先導したりすることなく、自由な校風です。
しかしその自由な校風というのは、「生徒まかせ」 「放任」 とは大きく違うということが、今回校長先生のお話を伺ってわかりました。

先生方がモットーとしているのは、『手を離して抱きしめる』
適度な距離を保ちながら、生徒一人ひとりを温かく見守り、ときに手助けが必要と思われる時にはそっと手を差し伸べる。
一方で生徒には、『削り合うな、認め合え』 『みんなちがってみんないい』 『失敗すると思うんだったらやらないほうがいい、やってみりゃいい、とりあえず何でもやってみよう』 と伝えているそうです。

つまり、生徒は “お互いを認め合いながら、色々なことにチャレンジする、成し遂げようと進む”。ときに壁にぶつかっても、“適度な距離で見守り、必要に応じて手を差し伸べてくれる先生” がいる、“認めてくれる仲間がいる”。

先生はさらにこう続けました。

「レポート、レポート、…こういう学習でやっていける子どももいれば、1年間は全く書けない子どももいる。
でも、1年間動けなくても、その経験は残りの5年で必ず活きる。」

そんな言葉にも、『遵法自治』 の校訓の中で “折れない心” が育つのだと感じました。

ちなみに、校長先生は2017年春に就任しました。まもなく1年が経とうとしている今、校長としてチカラを入れていることを伺いました。それは、“チーム芝” づくり だそうです。
若い教員も増えているので、芝学園の歴史やこのような生徒との関わり方・授業のしかたなど、先生同士が学び合う場を多くつくっているそうです。

校長先生のお話を伺い、先生方・学校が一体となって、同じ方向で、まさに “チーム芝” として、責任をもって中学高校の6年間で “折れない心を育てて社会に送り出す” ことに尽力していることを感じました。


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C & D

学校の入り口にある、第3代校長
渡邊海旭先生の像。
『遵法自治』の校訓が刻まれている。

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