“イメージトレーニング” で乗り越えた受験

  • Vol. 1606 : 2018/02/02

数年前のことになりますが、受験を終えてご挨拶に来たある女の子のお母さまの言葉で、とても印象に残っているものがあります。

「我が家の受験は、全てイメージトレーニングでした。」

その女の子は、都内の女子校を第一志望にしていました。
日能研に通い始めて早い時期から学校を見て回っていました。
4年生が終わる頃には、本人の中に漠然と 「この学校に行きたい」 と思える学校があったそうです。
最初は、本人になぜこの学校がよいか聞いても、「なんか、ここいいかも」しか言葉にならず…
我が子が6年間通う場所として、大事な我が子の6年間を託す学校として、子どもの直感ともいえる (直観としかいえない) この言葉を、どこまで信じてよいのか不安だったそうです。

その後も5年生の春・秋の説明会、オープンスクールなど、
何度も足を運んでみて、「私の/我が家の第一志望はこの学校」 と、家族全員が納得して決めたそうです。

そうやって “憧れの学校” と出会い、「私が中学高校を過ごす場所はここ」 と決めた彼女。

6年生の秋になり、いよいよ忙しい時期になりました。
6年生は夏休み明けから、通常授業のふり返りの他に、それぞれが目指す学校の過去問に取り組んだり、その学校を目指すにあたって必要な力をつけるための学習、つまり、科目担当の先生と相談しながら、個人別の課題にも取り組みます。
まさに時間との戦いです。
そんな10月のとある土曜日、その学校のオープンスクールが行われる日のこと。彼女は朝起きてくるなり、

「お母さん、オープンスクールに、私も連れて行って!」

お母様は、「え?この忙しい時に?塾の授業をやすんでまで?あなたは何度も行っているんだから行く必要ないんじゃないの?」 と返したそうです。

それに対して彼女は、
「いよいよ受験が近づいてきた。私はこの学校で入学試験を受けるんだ。そして、4月からはこの学校で過ごすんだ、というイメージトレーニングがしたいんだ。」

その後もよくよく本人と話をすると、5年生の秋以降、本人はその憧れの学校に足を運んでいなかったことに気づきました。(学年が上がるにつれ塾が忙しくなるので、親御さんだけで学校訪問していたようです。)
今回も父と母だけで “我が子が6年間を過ごす場所の、最後の確認” をする予定であったところ、本人も一緒に行ったそうです。

帰ってきた彼女の顔。それはそれは活き活きとして、やること山積みでの疲れや、過去問が思うようにできずに悩んでいた気持ちも吹っ飛んでいたとのこと。

10月のオープンスクール参加以降も、思うような結果が出ない時、直前の緊張感に押しつぶされそうになった時、そして何より入試当日。
「私は今あの学校に通うためにがんばっている。4月になったら、あの学校の制服を着て、あの学校でこんなふうに過ごしている」
あのオープンスクールで “ イメージトレーニング ” したことを思い出し、気を奮い立たせたとのこと。

「あのイメージトレーニングのおかげで私は受かった」 (本人談)
ちなみにそれを聞いたお母様。「実は私も…」 と。
何度も説明会や行事で学校に足を運びましたが、今度は、学校説明会ではなく、この子が晴れて入学することができたら、保護者会やPTA活動でこの学校に足を運ぶんだということをイメージして、辛い時を乗り越えてきたそうです。


このご家庭の場合は “ イメージトレーニング ” という言葉を使っていましたが、

『 強い憧れの気持ちをてる学校を見つける 』
(なんとなくいいからという漠然とした理由、また学校名や偏差値で決めるのでなく)
『 その強い憧れの気持ちを持ち続けること 』
(周りの大人は本人のその気持ちを尊重し、持ち続けられるよう応援すること)

これが偏差値を越えた合格につながる、大事なことだと改めて感じた出来事でした。
今日も、明日以降も入試は続きます。
受験生の皆さん、『 憧れの学校 』 はもうすぐそこです。気持ちを込めて答案を埋めてきましょう!

C & D

ページTOPへ