最後はやはり、このキーワード

  • Vol. 1496 : 2017/07/11

浅野中学校男子校

浅野中学校の学校説明会に行ってきました。
あらためて発見できたことや、印象的だと思った場面を、説明会外伝のような形で数点ご紹介します。

(1)少しずつ変化させている内容

過去にも参加したことがあるため、同じようなところもあるのかなと思って行きましたが、校長先生の話から違うものでした。資料として画面に出されたのが、毎年年度末に各教員が学校に提出する「進度表」(行ったことやふり返り)の抜粋でした。各教科の具体が伝わってきました。現在の中3美術は、座学で美術史を学んでいるそうです。11月に行われる京都奈良研修旅行の準備としての側面もあるそうです。
また、学校紹介の映像集も同じく変化していました。「昨年大きくリニューアルされたし、今年は同じかな」と思いきや、グラウンドが人工芝化されたことに伴い、体育祭の部分が変化していました。ただ、卒業式で担任の先生が話している場面は変わらず、少しほろっとします。

(2)浅野Q&Aで

保護者の方からよくいただく質問をもとに構成される「浅野Q&A」。何人かの先生が登壇され、パネルディスカッション形式で一人の先生が進行していきます。
ここで「学年順位と進学先の目安は?」という質問があった時のこと。高校三年は「東大文系・難関国立文系・私立文系・東大理系・難関国立理系・国立理系」の6コース7クラスになっていて、文理それぞれでゆるやかな習熟度にはなっているそうです。ここで「東大理系ではないクラスからも、ここ数年東大合格者が出ているんですよ。」という話者の先生の言葉に、他の先生が「そうそう」と一斉に大きくうなずいたのです。
この場面がとっても印象的でした。実際、定期考査の問題もクラスでちがう部分があるため、高校三年は学年順位がないそうです。どのクラスに在籍していても、目標に向かってがんばる生徒を精一杯応援しようということですし、その姿勢を他の先生も同じく持っているのだろうなと、よく言われる「面倒見の良い浅野」を再確認できた気がしました。

創立者である浅野總一郎と、初代校長水崎基一は、共に「骨を折ることを厭うてはならない」という考え方を持っていたといいます。
もはや「面倒見の良さ」は、浅野に流れ続けるDNAかもしれません。

(3)施設見学で

全体の話が終わり、グループに分かれての施設見学です。
とにかく広いですし、ありとあらゆる設備が整います。
最後は打越アリーナ(体育館)のメインアリーナで解散となりますが、案内の先生は最後に、
「冷暖房完備ですが、生徒は意外といやがるんです。なぜかというと、他の学校に試合などに行った時に、多くの学校は(冷暖房が)完備されておらず、逆にバテてしまうから……」
思わぬ視点でした。確かにいろいろなところに出かけていきますよね。冷暖房完備で喜んでいるのは大人だけのようです……。

そんなことから考えました。
浅野は「銅像山」と言われる山一つ分の校地で、校舎に向かう坂道はそれなりにきつく「遅刻坂」と呼ばれています。
説明会に行くたび「坂きついなあ」と思うのですが、浅野生にとっては毎日のことですから、当たり前になっていくのでしょうね。
この、坂を登っていく姿が、「人生の困難にもめげずに進んで向かっていく」姿勢につながっていると思えてなりません。
部活が盛んな学校というのも、よく知られています。しかしそれは学業との両立があってこそ可能なこと。
浅野を貫くもの、それはやはり「九転十起」です。

2020年には創立100周年。創立者の理念が、今でも生き続けている学校だと思います。

鶴見止まり

浅野總一郎翁像。
この日はものすごくよい天気で、空の青さに像が映えていました!

写真をクリックすると大きなサイズをご覧頂けます。

ページTOPへ