建学の精神を通した学びを肌で感じた瞬間

  • Vol. 1480 : 2017/06/11

吉祥女子中学校女子校

私学の強みであり、魅力。
それは「建学の精神を背景としたぶれない教育にある」と語られることが多いですが、それをまさに感じることができた瞬間がありました。

それは、日能研の教室で3~5年のテストが重なったある日。保護者がお迎えに来た時のことです。
この保護者はご兄弟5人のうち、3名が私学に通っているご家庭で、それぞれ異なる学校に通わせています。
保護者の話から感じたのは、しっかりと子どもの性格を見立て、学校が子どもたちに思い描く成長過程に関心を持ち、わが子の成長を重ねて吉祥女子という学校を選び、進学させたのだな、と強く感じることができるお話でした。

多くの方がご存知の同校。
建学の精神は「社会に貢献する自立した女性の育成」とあります。
キャリア教育が浸透してきた昨今、この建学の精神の中に並ぶ言葉は耳馴染みのあるものかもしれません。
しかしながら、「この言葉を日々の子どもへの教育に具体的に、幅広く、かつ実践的につなげている」という点に保護者は感銘したそうです。具体的には…

レポート→高等教育を意識した取り組み。(高等教育において求められる水準を、6年間で身につける=調べ方・書く手順・書き方など。)ゆくゆくは社会で働く上で、必要とされるスキルとなる。中学高校の6年間でその下地を作る。
ICT→「教育」という枠組みで終わらせない。スキルを学ぶ場を与え、その内容を科目間で共有し、各科目の学びの過程でスキルを生かす場面を多くつくる。
教育→字の通り、教え育む。教員と生徒、教員と教員、生徒と生徒。様々な関係の中で、教え育むが行なわれている。「勉強しなさい」という言葉はほぼ聞かないそう。学校では勉強の目的を考えたり、見出したりする場づくりを経て、子どもが学習に動き出す。仲間の刺激も大きい。(○○さんが××の資格をとったから、次は自分も・・・このような相乗効果が日常的に起こる状態になっている。)

保護者の話だと、レポートが多い学校はあるが、同校は生徒がつくる保護者や生徒への配布物は全てPC利用。学校行事の報告書では、状況が分かるように画像も必須。担任を経由し、画像処理を自分で行なうことが求められる。とにかく学んだことを生かすことを大事にしている。
現在、大学2年のお子さんはピアサポーターとして日能研に通う子どもたちの学びサポートをしてくださっているが、「1」言われたら色々なことをつなげて、知っている業務内容を日々増やしていける子だ。
これを卒業生像としてとらえるなら、自分で自分を高めることが日常にあったのだろうな、と感じている。つまり、自分がどうありたいかを考えながら成長してきたのだろう、同時にそういう雰囲気やきっかけを与える場を作る大人がいたのだろう、と感じたのである。

各学校がこれから本格的に広報活動を始める時期。説明会や授業見学(体験授業)などで学校を知る手段はある。
ぜひ、建学の精神がどのように日々の学びの中に生かされているのか、見たり聞いたりする内容との関連性を考えてみることも、学校を知ることの一つとなると思う。

MK

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