なぜ桜蔭中は女子のトップ校とよばれるのか

  • Vol. 1432 : 2017/03/05

桜蔭中学校女子校

桜蔭学園はJR水道橋駅から徒歩5分、都営三田線水道橋駅なら徒歩3分の場所にあります。
JR水道橋駅の北側は「東京ドーム」や「小石川後楽園」などがありますが、
この一角に桜蔭中学・高等学校があります。
何も知らない人が通ったら、都内にある「フツー」の学校だと思うことでしょう。
桜蔭の歴史をみると、創立は
明治時代初期に創立された女子学院(1870年)や雙葉(1875年)などと比べると、
さほど古くはなく、1924年(大正13年)のことです。
創立したのは東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)の同窓会社団法人「桜蔭会」です。
初代の校長先生が礼儀作法を重んじたことで知られ、それが今でも伝統になっています。
かなり以前のことですが、桜蔭中学の国語の問題が
地方の某国立大の国語と同じ筆者の同じ文章を出題していて、
桜蔭中学の問題の方が難しかったことが話題となったことがあります(筆者は美術史家の高階秀爾氏)。
真偽はともかくとして、これは別に驚くことではないでしょう。
なぜなら、桜蔭中学・高等学校は東京大学に59人(2016年)も合格者を出す女子のトップ校だからです。
とくにすごいのは最難関の東京大学理科三類(医学部)に6名も合格していることです。

しかし、桜蔭が昔からそのような大学実績を出していたわけではないのです。
桜蔭の東大合格者数が全国の高校で上位10位以内に安定してきたのは1990年代に入ってからです。
それは1986年の男女雇用機会均等法の施行により、
女性の社会進出と高学歴化がすすんだころと時期がほぼ一致しています。
まさに、桜蔭の歴史は女性の社会進出の歴史を体現しているのです。

最近、政府は「女性活躍」だとか、「一億総活躍」だとか唱えていますが、
もっとずっと前から桜蔭中学・高等学校の卒業生は「活躍」しているのです。

K・H

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