芝生

  • Vol. 1367 : 2016/12/17

芝中学校男子校

「みんなでやるから、みんなで考えるから続けられるんだよ。受験なんて、一人でできっこないんだよ」

ある4年生の男の子が5年生になるにあたって、塾を続けるのか悩んでいました。
大好きなサッカーで、セレクションの受験を勧められたのです。
光栄なことです。
でも通れば、今よりもっと忙しい一週間が始まるのでしょう。

これまでの1年間、サッカーと通室はなんとか両立できてきました。
でもテストの類はいつも後日。
一週間のスケジュールだって楽ではありませんでした。

「さらにサッカーの日が増えるのか…」
「すると、後日テストも受けられないし…」


何度も何度も逡巡したことでしょう。
家族でも話し合ったのでしょう。
それでも答えが出せない。

彼はサッカーが大好きなのです。
そんなことは、家族も我々スタッフも全員知っています。
だから、一つだけみんなで決めたことがあります。

考える材料を渡して、決断は本人に預ける。

ある日、母が日能研にやってきました。
「感動的なことがあったんです」
「なんですか?聞かせてくださいよ!!」
「うちの兄が…」
で、冒頭の科白。

彼の兄は芝中の2年生。
学校には一目ぼれ。
一途に入学を熱望していました。
日能研のR4には遠く10以上及ばない偏差値。
憧れのままで終わってしまうかもしれない、中学受験。
兄は、そういう境遇の経験者だったのです。

「合格しました!!」という報告を受けたとき。
「うそっっっ!!!!!!」というあるまじき反応を繰り出したことを、いまだに鮮明に思い出します。
2月1日が不合格だったおり、表情一つ変えずに兄はこう言いました。

「2次があるから」
芝の校是に「共生(ともいき)」があります。
兄が、その本質を心の底から理解し得ているのかは定かではありません。
いや、おそらく「理解」とは程遠いのかもしれません。

しかし芝生全体に通底するこの概念は、既に心に浸潤しはじめているのでしょう。
学校生活のあらゆる場面で、先生方の放たれるあらゆる言葉に、その魂が宿っているのです。

学校を選択する際、進学実績などのデータに目を奪われてしまうことがあります。

しかし一方で、学校を選択するということは「生き方を選択すること」なのだ
ということも忘れてはならないのです。

改めて、大切なことを教わった瞬間でした。

男子校をお考えのみなさん。
是非芝をご一考あれ。



さて、4年生の彼の決断や如何に…だって、サッカーにだって兄の科白は当てはまるしなぁ…


蛇足ですが「芝生」は「しばふ」ではなく「しばせい」ですので…

ペラペーラ

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