「哲学教育」言葉を失った先に

  • Vol. 1366 : 2016/12/16

東洋大学京北中学校共学校

文京区白山の閑静なエリアに東洋大学京北中学校はあります。
もともと男子校だった京北中が、東洋大学の附属校になると同時に共学化し、新しくなった学校です。
太陽光が入る真新しい校舎や、気持ちのよさそうな人工芝のグラウンドもとっても魅力的。
ですが、東洋大学京北中の本当の魅力はその教育の中身にこそあります。

東洋大学・京北中の創始者である井上円了博士は、教育者であると同時に哲学者でもあります。
井上博士の「諸学の基礎は哲学にあり」を建学の精神とするこの学校には、「哲学」の授業があるのです。
中1~3は「哲学」、高1は「倫理」という形で哲学教育に触れます。
授業は、生徒たちどうしの「対話」を通して進みます。
ひとつのテーマについて
「これってなんで?」「もしもこうだったら…」
と話していくにつれてお互いの考えが深まっていくのです。
もちろん、その対話の果てに「用意された正解」はありません。
答えのない問いについて、生徒たちが自分から考えていくのです。
この授業では、ひとクラスにつき2人の先生が持ち回りで担当をします。
その先生がたも、生徒たちと一緒に考えるメンバーの一人として、授業に参加しているそうです。
「教える・教わる」ではないスタイルだからこそ、生徒たちもよりアクティブに参加できるのですね。

哲学教育に関わる先生いわく、「わからないことを増やすのが哲学」。
色々な体験をしたり、知ることによって、逆に何を言っていいのかわからない……言葉を失う……
そんな体験も生徒たちにはしてほしいのだそうです。
多様な価値観のある正解のない世界で、自分のアタマで、仲間と一緒に、とことん考え続ける。
これは、変化の目まぐるしい今の時代だからこそ求められていることではないでしょうか?
過去の価値観とは全く異なる(かもしれない)未来にこそ必要な、
過去の「正解」にとらわれずに考え続ける・問い続ける力――
そんな「未来を生き抜くたくましさ」のようなものを、私は哲学教育から感じました。


2017年度からは、『「哲学教育」思考・表現力入試』という記述・論述型の入試も始まります。
これには、ぜひ「哲学教育」のリーダーになりうる子に入学してほしいという思いがあるそうです。

考えることが好きな子も、仲間と一緒に何かを追究してみたい子も、
東洋大学京北中の「哲学教育」に注目してみてください!

こやん

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