教育イノベーション元年

  • Vol. 1087 : 2015/10/04

洗足学園中学校女子校

先日、洗足学園中学校へ行ってきました。
洗足学園は、2015年度を教育イノベーション元年と位置づけ、カリキュラムを大きく変更させました。
授業をこれまでの1コマ50分から65分へと延長し、月曜日から金曜日まで1日5コマを実施。
1コマの授業時間の延長は、これまでの講義型一斉授業から、
対話型・探求型の授業へ変化させていくねらいがあるそうです。
一方、土曜日はフレキシブルデイとし、教養講座や第二外国語講座を開講したり、
洗足学園中高のフィルハーモニー管弦楽団やバレエ教室の活動の時間としたりと、
生徒たちの自主的な活用を尊重しています。

教養講座には、研究所や大学院、大手企業などから呼ばれた講師による、
生徒たちの知的好奇心を刺激し、将来について考えるきっかけをつくるさまざまな講座があります。
主に中学3年生以上が受講しますが、中には中学1年生が参加できるものも!
また、洗足学園中高フィルハーモニー管弦楽団(通称Sオケ)には、100名を超える団員が所属しているそうです。
音楽が身近にあるのはこの学園の特長ですね。
洗足学園では、合唱コンクールや音楽鑑賞会の実施はもちろん、
生徒たちそれぞれが管弦楽器の中からひとつを担当し、中学3年生になるとオーケストラ演奏を目指すのです。
学園のホールでのコンサートは年100回にもなるそうです。

さらに、学外活動をすすめているのもこの学校の大きな特長です。
洗足学園のパンフレットには、生徒たちがチャレンジしたさまざまな活動が紹介されていますので、
興味のある方はぜひご覧ください。
「模擬国連」「日本の次世代リーダー養成塾」「創造性の育成塾」をはじめ、
多様なコンクール、研修、シンポジウム等に積極的に参加している様子がわかり、
自分を磨いていく生徒たちのたくましさが感じられます。
今年度からのこのフレキシブルデイの取り組みが、
これからさらに生徒たちのチャレンジを後押ししていくことになるのではないでしょうか。

「洗足」という校名は、イエスが自らの手で弟子たちの足を洗い、
互いに足を洗い合えるような謙虚と慈愛の心を持つことを示した、という聖書の一節
からとられています。
クリスチャンであった創立者の前田先生は、謙虚と慈愛の精神に基づき、
「理想高遠・実行卑近」を掲げられたそうです。

理想を高く持ち、実行は身近なところから始めなさい――

まさに、対話と探求によって授業を深め、社会のさまざまなことに関心を持ち、
自ら機会を見つけて自分自身を成長させていく、意欲あふれる学園の生徒たちの姿勢に表れています。

学習アドバイザー:A

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