自由を守る ~麻布の文化祭~

  • Vol. 536 : 2011/06/26

麻布中学校男子校

毎年、ゴールデンウィークに欠かせないのが麻布の文化祭。しかし、今年は震災の影響により、この期間には実施されませんでした。6月24日・25日・26日の開催です。
筆者の場合は今年出かけて3年連続見学です。いつもの文化祭とどんなところに違いがあるのか……興味を持ちつつ、24日に足を運びました。これも珍しい「平日」です。

1・雰囲気の違い……平日の午前でしたから、当たり前ですが女子校生はほとんどいません。だからでしょうか、在校生の保護者と思われるお母さまの姿が目立ちました。少し意外?

2・来場者の制限……「万が一の余震」に備えて、校内滞留者を2500人に設定していました。超えた際は、時間を予約した予約券を入り口で配ります。

上の2つはホームページで事前に確認できました。保護者のみなさまは24日にご来校くださいという案内がありました。

3・暑さ対策……熱中症の防止のためのアテンションがいくつかありました(この日は梅雨の合間で非常に暑かった日です)。現在の温度を大きく表示していたり、アテンションの看板を持って歩いている生徒がいたりしました。縁の下の力持ちだなあと感じました。

4・展示会場……毎年行くのが生物部です(文系人間の私でも楽しみです。今年はヘビとネズミをさわることができました)。ただ今年は、入場時に部員の生徒から「パンフレットを見せていただけますか?」と言われました。すぐに「どうぞ」と言われたのですが、あとからパンフレットを見て納得しました。パンフレットには「入場可能時間」が手書きで記されたのです。この確認だったのですね。

これらはちょこちょこした変化ですが、一番びっくりしたのは、階段の踊り場などにイスを持ってきて座っている大人の人たち。そう、麻布の先生方です。以前お見かけした先生がいたので声をかけて事情を聴いたところ、やはり余震などがあったときにすぐ対応できるように交代でいらっしゃるようです(はじめは先生かどうかわからず、見てしまいました)。さらに今年は、24日の開会式前に避難訓練も実施したとのこと。

来場者の安全を考えつつも、みんなで楽しむ姿勢。実際、そんな部分部分に先生方がいらしても、ステージや展示会場の生徒の雰囲気はまったく変わらなかったように見えました。いつもの年とは違うが、やはり麻布の文化祭。自由を守るために、安全を創り出す「自由を守る=麻布の教育の根幹」を今年も別なかたちで感じることができたような気がしています。

教務スタッフ/応援団長

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