主要教科

  • Vol. 309 : 2010/10/13

成蹊中学校共学校

主要教科。

成蹊にはいわゆる主要教科がありません。国数英社理を主要5教科などといいますが、それは近い将来の一般化された受験体制の多数派からの視点を示すもので、学校側の思惑がそういわせていことが多いからです。しかし成蹊は違います。主要教科は生徒自身が決める。視点をかえればすべてが主要教科だと解釈もできます。それは生徒中心に考えているということとも理解できます。生徒はやがて出会う自分の「主要教科」を伸ばすことに主体的に学ぶのです▼同様に、昨今一般化しつつある「特進クラス」も成蹊にはなく、全クラスが「特進クラス」だという考え方で生徒と先生が関わっています。その関わりの一つの例として、「日進月歩」という生活習慣をつけるためのノートがあります。これは、「導入期教育」としている中1から中2にかけて、成蹊で学ぶものとして基本となる生活習慣、学習習慣の確立のために生徒と先生とのやり取りの道具としています。この「日進月歩」を通して成蹊でこれから学んでいく基礎を創っていき、初めはあえてゆっくりと、ただし確実に、学習スタイルが身につけられるように意識されています。事実、中1だけは1クラス増やした36名程度の学級規模で徹底した指導を図るようになっています▼中2からは「充実期教育」です。それまでに試行錯誤されてきた学習習慣のもと、広範で大量の学習をこなしていきます。それにともない学習規模も1クラスあたり、中2で38名、高1で41名程度と生徒の学びの成長に合わせたクラスサイズとしていくのです▼こうして中高6年間の仕上げにあたる「発達期」である高2・高3の2年間で高等教育へとつながっていくのです。成蹊は良い意味での進学校、戦前にはわずか5校しかなかったといわれる私立旧制七年生高等学校の伝統の流れは、いまも続いています。

教室スタッフ/堀部安兵衛

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