シカクいアタマをマルくする。~未来へのチカラ~

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

城北中学校

2017年06月掲載

城北中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

1.初見の問題への対応力が試される問題

インタビュー1/3

覚えたことをそのままアウトプットするだけではダメ

竹村先生 理科の授業で習った内容をそのまま社会で活用することはあまりないと思います。では、学ぶ意味は何かというと、学んだことを活かして新たな問題に対応できる力を養うことにあります。知識をひたすら覚えるのではなく、知識を基に考えて初見の問題にチャレンジするお子さんに入学していただきたいし、そうなってもらいたいという思いを込めて、この問題を作りました。

子どもは「クレーター」という用語は知っているけれど、クレーターが重なり合っていることは知らないでしょう。問題を見て「知らない」と立ち止まらずに、持っている知識や考え方を活用する力が試されます。

竹村先生 作問に当たり、本校を目指すお子さんが過去問として解くことも意識しました。この問題を見て、勉強は覚えたことをそのままアウトプットするだけではダメなんだということに気づいてもらえたらと思います。

理科/竹村 英紀先生

理科/竹村 英紀先生

リード文や前問に問題を解くヒントがある

この問題の出来具合はいかがでしたか。

中村先生 正答率は、問1が93%、問2が61%でした。
落ち着いて見るとそれほど難しい問題ではありませんが、クレーターの様子を写真から平面に変換した図の見方がわからないと、戸惑ったかもしれませんね。

竹村先生 受験生にとっては初見の問題ですから、考え方のヒントとして、リード文に「月の表面のくぼみも、地層と同じようにできた順番を考えることができる」という一文を入れています。
また、クレーターのでき方を再確認できるように、問1を設けました。「宇宙からの隕石がぶつかってできた」ということは、クレーターが上から重なっていくということです。問1の答えをふまえて問2を考えてもらえればと思いました。

“ぬり絵”と同じ要領で考える

中村先生 ぬり絵と同じ要領で考えるのも一案です。先にくぼみDを塗ってからくぼみCを塗ると、Dは塗りつぶされて見えなくなってしまいます。ぬり絵や水彩画など色をぬる経験と結びつけて考えれば、くぼみCの中にくぼみDがあると気づくでしょう。この図を実際にかいてみてもいいでしょう。

多かった誤答のパターンはありましたか。

竹村先生 当てずっぽうな解答はありましたが、これといった傾向はありませんでした。

中村先生 C→Dの順番を間違えた解答はそうなかったと思います。B→Aの順番を逆にした解答が多かったようです。AとBはどちらが先か、重なっているところがわずかなので、よく見ないと間違えやすかったかもしれません。

城北中学校

城北中学校

インタビュー1/3

城北中学校
城北中学校都立城北中央公園と石神井川に沿った緑豊かな環境に、約4万平方メートルもの広大なキャンパスが広がり、創立50周年を記念して建設された校舎には充実した学習・スポーツ・文化施設が整備されている。厳しい寒さにも耐え、春を告げる花の代表格である桜の花をあしらったデザインが。城北学園のマーク。創立からの、着実・勤勉・自主の精神と質実厳正の姿を象徴しています。
6年間を2年ずつ「基礎期」「錬成期」「習熟期」の3期間に分けて連携させる「3期体制」。その経験とノウハウから生まれた理想の教育プログラムは、難関大学への高い実績を生み出し、各界で活躍する卒業生の輩出している。各期間で生徒の発達段階に応じた目標を掲げ、一人ひとりの生徒が目標の達成に向かって努力し、成長を遂げられるように指導が行われている。
活発なクラブ活動は城北学園の伝統。全国レベルにある部活動も多く、運動部では、ラグビー部、少林寺拳法部、水泳部(水球競技)、文化部では、ラジオ部や囲碁将棋部が過去に全国優勝を果たしている。運動部や文化部。すべてがひとつになって城北学園の圧倒的なムーブメントを生み出している。