中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

東京都市大学付属中学校

2016年02月掲載

東京都市大学付属中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.男子校らしく、学業とクラブ活動、どちらにも熱中できる環境が魅力!

インタビュー3/3

2000年あたりに進学校化を決断

教育の見直しは、校名が変わったことがきっかけですか。

田中先生 校名が変わる、少し前に、今後の方針を話し合い、難関大学を目指すことになりました。15、16年前のことです。生徒に伸びしろがあるなら、上を目指していこうという方針になり、それから進路指導も教科教育も、強化されたと思います。

ただ、教科教育を強化して日が浅いので、波があります。数年前に卒業した生徒たちは力がありましたが、その後も続くかというと、難しいです。私もここ数年、高校生に関わっていますが、波があることを実感しながら教えています。

桜井先生 一番大きかったのは、今年の春に卒業した学年です。一貫校になっての3期生ですが、その子たちが入学した年に校名が「武蔵工大付属」から「東京都市大学付属」に変わりました。年度の途中に、偏差値表から武蔵工大がなくなり、「あれっ?」となって受験生が激減したのです。それに合わせて、偏差値も下がってしまいました。ですから、あと2、3年は波があるのかなと思っています。

国語科/田中渉先生

国語科/田中渉先生

広がる都市大塩尻との交流

東京都市大学との連携は行っていますか。

桜井先生 形を変えながら、行っています。以前は研究室へ行ったり、大学の先生に来ていただいたりして、お話をしていただきました。都市大では夏休みに、小学生を対象にした科学コーナーのようなイベントをやるので、そのお手伝いをさせてもらう生徒もいます。ただ、若干つながりは薄いかもしれません。子どもたちの「他の大学も見てみたい」という希望が、強くなっているところが、少し影響しているかもしれません。ただ、都市大塩尻とは、同じ場所で合宿をしたり、交流戦をしたりと、クラブ同士の交流が生まれています。文化祭に、塩尻の生徒会の生徒が来てくれて交流する機会ももっています。

クラブ活動も盛ん

クラブがたくさんありますよね。

桜井先生 そこは、生徒たちも気に入ってくれているところです。男子校なので、鉄道部や自動車部が元気で、自動車部は全国大会で活躍しています。顧問が車好きで、その熱に影響を受けている高校生が中学生を指導して、車を作ったり、作った車をエコカーレースに持ち込んで、ツインリンクもてぎなどで競い合ったりしています。

珍しいところでは、中学に硬式野球部があります。ボーイズリーグに参加して、東日本大会まで勝ち進んでいます。選抜チームに選ばれる生徒もいます。高校硬式野球部の顧問が、「中学にも作ろうよ」と声をかけて立ち上がったので、中高の連携がよく、いい活動ができているのではないかと思います。もちろん軟式野球部(中高)もあります。

活動は、都市大グループ所有の野球グラウンド(天然芝/両翼90m)で行っています。基本的に週3回は使っています。都市大等々力も使うので、時々交流戦もしているようです。その敷地には、テニスコートやグラウンドもあり、フットサル部がグラウンドを使用して活動しています。

中学に硬式野球部がある学校が少ない上に、環境に恵まれているため、多くの方が見学にいらっしゃいます。外部のクラブチームという選択もありますが、勉強との両立を考えて、本校に興味をもってくださいます。

東京都市大学付属中学校

東京都市大学付属中学校

勉強も部活動も100対100、が合言葉

文武両道の学校ですね。

桜井先生 「文武両道」と言わないで、「勉強も部活動も100対100」と言っています。それは卒業生が残してくれた言葉で、50対50ではなく、どちらも全力でやろうよ、という意味です。その卒業生は硬式野球部に所属し、練習のない日はすべて学校で勉強していました。そして現役で東大に入りました。その子が卒業する時に残してくれたことばが、「勉強も部活動も100対100」。それを僕らが使わせてもらっています。

好きなことに思いっきり熱中する経験も大事

田中先生 なんでもいいから、思いっきりできる子になってほしいんですよね。そのバイタリティーというか、熱は、他のことにも活きるので。受け身ではなく、自分からやる経験をしてきてほしいのです。

桜井先生 本校は、理科の実験も含めて体験学習が多い学校です。それがいいと思うのは、テストで点を取れる生徒だけでなく、さまざまな場面で、教室では見られない輝きを放つ生徒と出会うことができるからです。

先ほども、クエストカップの話がでましたが、実在する企業から答えのないミッションが来るわけです。グループになって、アイデアを出すのですが、そういう時にものすごいアイデアを出す子がいるんですよね。プレゼンでも、力を発揮する子がいます。友達から「すごいな」と言われると自信になりますし、「自分はこういうことに強いんだな」と自覚できます。そうすると、進路を考える時にもステップになります。ですから、そういう場をできるかぎり、与えたいのです。

東京都市大学付属中学校

東京都市大学付属中学校

帰国生入試を始めて2年。学業に支障なし

帰国生の様子はいかがですか。

桜井先生 帰国生入試を始める前から、学年の約1割程度ですが、海外での生活経験をもつ子がいました。そこで帰国生入試を始めました。中2が先頭学年です。最初は読み書きの力に不安がありましたが、教科指導において、特に難しく感じているところはありません。レポートなども書かせますので、そこでつまずいていれば、個別に対応していきます。

帰国生の中で、英語が堪能な生徒については、取り出し授業を行っています。これはすごいです。ネイティブの教員が、全部英語で授業していますから。様子を見て、「あいつ、あんなに英語ができる」と、友達に刺激を受けている生徒もいます。取り出し授業は希望制ですが、トライアル期間を設けています。生徒も教員も、十分にやっていけるという判断ができなければ、しばらくは普通の授業を受けることになります。帰国生も英語圏ばかりではありませんし、日本で生まれ育っている生徒の中にも英語が得意な子はいますので、取り出し授業については、帰国生という枠を取り払い、レベルに達していれば受講できるようにしています。

インタビュー3/3

東京都市大学付属中学校
東京都市大学付属中学校平成19年に新校舎が完成し、平成21年に武蔵工業大学付属中学校・高等学校から東京都市大学付属中学校・高等学校へ改称された。本校で掲げる「誠実・遵法・自主・協調」という4つの校訓には、豊かな知性を身につけるとともに人格を磨き、高い次元で社会に貢献できる人間に育ってほしいとの願いが込められている。東京都市大学への進学を希望する場合は、「付属進学制度」により進学ができるが、進学の資格を有したまま国公立大(前期)を受験することも可能である。さらに、慶應義塾大、早稲田大、上智大、東京理科大、明治大、青山学院大、中央大、学習院大、東京薬科大、昭和薬科大、等の他大学推薦入学もある。
大学進学を通過点と位置付け、将来を見据えた進路指導が行われている。中2の9月にキャリア教育の一環として行われる東北地方での農業体験。稲や野菜の収穫から牛の世話まで、農家の人々と触れ合うことにより、職業観と食に対する理解を深める。中3の8月に行われる企業研修では企業別の事前学習を経て、生徒自らアポイントを取り生徒だけで企業を訪問する。
カリキュラムの特徴としては、前期、中期の高校1年生までは主要3科目を中心にバランスが考えられており、理科の実験では、中学1~3年生の科学実験の授業で、各学年で年間20項目近くの実験を行っている。また、1クラスを2分割し、20人前後の少人数で実験を行うので、よりきめ細かく具体的に指導がされる。高校2年生で行う実験は、大学入試に出題される頻度の高い項目も含めて行っている。多くの実験授業を通して、理科への興味と理解が深まっていく。
クラブ活動も盛んで、中学での硬式野球部やゴルフ部・アイスホッケー部・アメリカンフットボール部・自動車部などなど、特徴的な部活動もあり、自主性や協調性を養っている。