中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

晃華学園中学校

2015年12月掲載

晃華学園中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.教科横断的なプログラムが生徒の視野を広げる

インタビュー3/3

図書館司書とも緊密に連携

林先生 本校は教員同士の距離が近く、職員室の雰囲気は和やかです。理科教員はそれぞれ専門科目がありますが、物理担当の教員が「高校の物理では今度これを取り上げる」と言うと、中学の教員が「それは中2でこのようにやったね」と日常会話の中で情報共有できています。

化学と家庭科は共通部分が多くあります。私は社会科の教員とは頻繁に話をしています。地学は地理と関わりが深いので、3学期にコラボで授業したいねという話も出ています。

図書室の司書とも緊密に連携しています。授業で取り上げた内容について司書に相談すると、すぐにコーナーを設けてくれるスピード感と機動力があります。科学関連の新刊本はなるべく図書室で展示してもらい、授業の有無に関係なく興味がある生徒が手に取れるように、特設コーナーを設けています。

理科主任/毛利聡子先生

理科主任/毛利聡子先生

動画の利用などは以前から実施

林先生 授業は教科書のことだけでなく、教科書に書かれていないことをどれだけ身につけられるか、どの分野の理科教員も意識していると思います。プリントはすべてオリジナルです。放射線に関しては東日本大震災のかなり前から、校内の放射線量を測定してデータを蓄積するなど勉強を続けていました。科学リテラシーについてもいろいろ指摘される前から取り組んできました。動画を使った授業は今では当たり前になっていますが、多くの学校が採用していない時期から動画を用いた授業を展開しています。

晃華学園中学校 図書館

晃華学園中学校 図書館

女子を教えるには見た目も大切

林先生 女子校ですから、見た目がカラフルなもの、きれいなもの、かわいらしいものなど女子が興味を引きそうなことを積極的に取り上げて、女子が楽しいと思える理科授業にしたいと考えています。地学で鉱物の話題をするときはダイヤモンドなど宝石を例に挙げると興味を持ちます。女子の感性に響くような授業を心がけています。

砂口先生 女子は具体的なものを見せると納得度が増しますね。

林先生 普段からなるべく本物を見せるようにしていますし、CGで動かしたり、いろいろな角度から見せてイメージさせたり、実際に作って確認するなど工夫しています。見えない裏側を想像するのは女子は男子に比べて苦手な生徒が多いので、イメージさせる作業をワンステップ加えるように心がけています。

晃華学園中学校

晃華学園中学校

学校の取り組みを体系化した「カトリック総合学習プログラム」

この問題は江戸時代の生活を取り上げており、社会科的な要素も含まれていると思います。普段、教科・科目を横断するような授業は行っていらっしゃいますか。

砂口先生 本校の「カトリック総合学習プログラム」がまさにそうです。これまで各教科の授業や学校行事など様々な場面で個々に取り上げ、別々の機会に行ってきたものを、カトリック的価値観に基づいて総合的に学ぶ6カ年プログラムとして体系化したのが、「カトリック総合学習プログラム」です。「生命」「自然と環境」「正義と平和」「奉仕と福祉」「女性の使命」の5つのテーマに沿って、学年と内容を相互に関連づけて実施しています。

講演会などの後には生徒に振り返りの文章を書いてもらい、それをストックしたポートフォリオは、自分だけの“教科書”になります。推薦入試の際は、それを読み返して自己PRのヒントにしたり、自分の考えをアウトプットするトレーニングにもなっています。

晃華学園中学校

晃華学園中学校

「ホタルの幼虫飼育」を通して自然環境を学ぶ

林先生 カトリック総合学習プログラムとして、中1で取り組んでいるのが「ホタルの幼虫飼育」です。調布市が飼育しているホタルの幼虫を借り受けて、中学1年生が飼育しています。当校で孵化させることはできないので、ある程度成長したところで返却します。成虫しか見たことのない生徒にとって成長の過程を見るよい機会になっています。昨年は生育状況が悪く、一般公開されませんでしたが、順調に育てば夜に光を放ちながら飛んでいる様子も見学する計画です。

ただ飼育するだけでなく、神代植物公園に足を運び、雑木林が残っている緑豊かな自然環境や関東ローム層の地層を観察します。豊富な湧き水や名物のそばとの関連性にも触れ、地形、地層、植生について総合的に学びます。

砂口先生 本校はユネスコスクールに加盟しています。カトリック総合学習プログラムを通して、国際理解教育や環境教育に取り組み、世界へ向けて視野を広げています。

インタビュー3/3

晃華学園中学校
晃華学園中学校カトリックとして、またマリアニストスクール(汚れなきマリア修道会の学校)としての教育理念をこれまで以上に浸透させ、その教育の真価をよりいっそう発揮していくために、「カトリック的価値観に基づいた総合学習プログラム」を策定。これからの世界が取り組むべき重要課題である5つのテーマ(生命・自然と環境・正義と平和・奉仕と福祉・女性の使命)を、6年間の授業・行事・生活の中で総合的・体系的に学習する。「高い志と使命感」「人間と自然への深い理解と愛」「グローバルな視野」の3点が深く身についていくように、有意な取り組みを学園をあげて実施している。
主要教科はもちろん、芸術・体育・家庭科なども同様に重視し、知性と感性をバランスよく育成する「全人教育型カリキュラム」を展開。
英語は中学2年、数学は中学3年、国語は高校2年の一部で習熟度別授業を実施。各自の学習進度に合わせて、よりきめの細かい指導が行われる。どんな人生を歩んでいきたいのかということを出発点にして進路指導が行われ、自分の興味や特性を見出していけるようなさまざまな教育活動が計画されている。そのなかで、一人ひとりがかけがいのない存在であることを実感し、ノーブレスオブリージュの精神を学んでいくことで、自分に授かった個性や能力を将来どのような分野で活かしていくことができるかを真剣に考え、自分にふさわしい進路を模索していく。そのため、進学先や進路先は多岐にわたっている。
クラブ、同好会、課外活動と3種類の放課後の活動がある。中学生は、95%以上の生徒がいずれかの活動に参加。中高合同の活動で、活動日は週1~4日とさまざま。運動部9(うち同好会2)、文化部13(うち同好会9)があり、中学生では98%、高校生でも90%以上の生徒が参加。そのほかにも、華道、茶道、書道、能楽(謡曲・仕舞)、映像メディア、聖書研究、聖歌隊などの課外活動がある。
イースター・静修会・慰霊祭・クリスマスなどの宗教行事のほか、クラス単位の合唱コンクール、中高別々に行われる英語スピーチコンテスト、新春かるた大会、スキー教室など行事も多い。高校1年生の夏休みには2~3週間の英語語学研修を実施。現在は、カナダでの研修を行っており、豊かな自然環境の中でのホームステイ生活を通して、英語力だけではなく人間力を磨く。学年の6割前後の生徒が参加している。ボランティアにも積極的。カウンセラー室は創立当初よりある草分け的存在。