出題校にインタビュー!
大妻中野中学校
2015年09月掲載
大妻中野中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.計算ドリルで正確かつ早い計算力を鍛える
インタビュー2/3
四則計算と短い文章題を確実に解けるようにしよう
野村先生 本校の入試では「正確な計算力」と「あきらめずにじっくり考える力」を重要視しています。単に公式を暗記して数字を当てはめるような学習ではなく、解答を導くプロセスを大切にしてほしいですし、考えたことをアウトプットするためにも計算力は必須です。
入試問題の構成は、大問1の四則計算と大問2の短い文章題、大問3と4が文章題です。大問1と2が各30点で合計60点ですから、ここを確実に正解できれば合格に近づくことができると思います。
石塚先生 大問1の四則計算は基本的な計算ばかりなので、できれば6問すべて正解してもらいたいです。合格者は1問間違えるくらいでしょうか。スピードも大切ですが、この段階ではまず正確に計算できるように練習しましょう。
数学科主任/野村賢司先生
単位換算は比の関係でとらえる
石塚先生 答案を見ると、単位換算を苦手にしている受験生が多いですね。
それは塾で教えていても感じます。第1回入試の大問2の(1)は、4つの単位(m3、dℓ、mℓ、cm3)が出てきますが、これは結構難しいと思います。
石塚先生 「dℓ」は日本では使わない単位なので日常からはかけ離れますが、単位換算は最終的には比の考え方につながります。単位をそれぞれ暗記しようとするのではなく、比の関係でとらえると取り組みやすいのではないでしょうか。自分で目的の単位に置き換えて単位同士の関係をつかむようにしましょう。
算数は「比に始まり、比に終わる」と言われるように、線分図でも面積図でもほとんどが比です。比の考え方は中学以降もついて回るので大事にしてほしいと思います。
根気よく比の関係を見つけることが大事ですね。
石塚先生 そうだと思います。図形問題でも比の考え方をよく使いますが、自分で図をかくことで、考え方を自分のものにできるようになるのではないでしょうか。そうした積み重ねによって算数の地力もついてくると思います。
「3分」の時間制限を設けて早く計算する感覚を身につける
石塚先生 計算力は中学に入学してからも計算ドリルで徹底的に鍛えます。私は中1から持ち上がりで現在中3を教えています。各学年で取り組み方は違いますが、今の中3は中1のときから、毎週木曜日の2時間目と3時間目の間のSHRを利用して計算力を鍛えています。
計算ドリルは5~6問を3分で解きます。中学入試では「正確さ」を求めますが、中学入学後は、正確さに加えて「スピード」も重視してストップウォッチで計ります。大学入試がそうですが、考え方がわかっても最後まで問題を解ききるスピードがなければ正解を出せず得点できません。そのために中1から早く解く感覚を身につけさせています。出題範囲は今習っている単元から1週間前に指定し、教科書の2ページというように範囲はかなり絞ります。計算問題だけでなく、図形の証明が範囲のときは穴埋め問題を出すこともあります。
コアクラスは正解率5割以下、アドバンストクラスは7割以下の生徒は、放課後に合格するまで追試を受けます。生徒は居残りしたくない、何より部活動に行きたいので、がんばって勉強してきます。中3を見ると、計算ドリルの効果で計算力が大分身についてきたと思います。
また、中1の始めにはノートの取り方の見本を生徒に配ります。計算は途中の筆算も消さないように指導しています。例えば2桁同士のかけ算の筆算のように式としては書かないものも消さずに残しておいて、どこで間違えたのか、どんな間違いをしたのか追跡できるようにします。
大妻中野中学校
定期試験は「計算・標準・応用」で構成、到達度が確認できる
石塚先生 中学の数学の定期試験は、1枚目は計算問題、2枚目は標準問題と応用問題で構成しています。1枚目の計算問題の配点が60点なので、計算問題が満点ならそれだけで60点取れます。計算問題は正解率8割が目標で、8割に達しなければ、数学の習得が不十分だということになります。一方、応用問題までできれば、「この範囲はしっかり習得できている」と自信を持ってよいでしょう。
定期試験の結果から、自分は何ができて、何ができていないのか自分で確認できるので目標が立てやすく、計算力をつけたら標準問題へ、さらに応用問題が解けるように、各自がステップアップを目指しています。
インタビュー2/3