出題校にインタビュー!
大妻中野中学校
2015年09月掲載
大妻中野中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
1.「2進法」を利用して自分でバーコードを作る
インタビュー1/3
能動的な姿勢が求められる問題
2進法の問題はよくありますが、バーコードと結びつけた問題は珍しいですね。
石塚先生 お菓子やジュースなどあらゆるものにバーコードが付けられています。懸賞に応募するために集めたアイスクリームのバーコードを並べているとき、同じ商品はバーコードも同じだということに気づきました。バーコードの仕組みを入試問題に使えないかと思ったのが、この問題を作ったきっかけです。さらにバーコードについて調べて、小学生にもわかりやすい見せ方として長方形で表現することにしました。
「自分でバーコードを作る」というのは今までにないパターンですし、受け身ではなく能動的に問題と向き合う姿勢が求められると思いました。
石塚先生 「学年・クラス・出席番号」であれば受験生も取り組みやすかったのではないでしょうか。この問題は大問の(4)の設問です。(2)は「13」という数字をどのように表すか、斜線を引いて書き込む問題です。実際に手を動かして、(1)から設問の流れに乗って解いてくれればと思います。

数学科/石塚美由紀先生
考え方を書く記述問題は、ユニークな発想を期待
石塚先生 問題自体はさほど難しくないと思います。設問を解き進めながら、与えられた情報を読み取る力や、規則性を見つけて次を予測する力、部分から全体を見渡せる力を測れればと思って出題しましたが、出来具合は悪くなかったと思います。
野村先生 設問文の説明をきちんと読み取ることができれば、正解にたどり着けたと思います。標準的に考えれば答えは「12個」です。設問の例から、視覚的に見て、学年で3個、クラスで3個、出席番号で6個に区切ります。
一方、1年1組1番から6年6組40番まで区切らずに通番で考えることもできます。6学年、6クラス、出席番号40番なので6×6×40=1440、桁が上がると数が2倍になっていくので、2の11乗=2048>1440から、「11個」でも正解にしようと事前に決めていました。
この問題は、算数で唯一、考え方も書かせる記述問題です。考え方を書かせる問題は小学生らしいユニークな発想を期待して作問しています。こちらが想定していなかったような独創的な考え方でも、論理的に正しければ正解にする方針です。ただ、この問題に関して言うと、総じて受験生はオーソドックスに解いており、「11個」という答えは見られませんでした。

大妻中野中学校 教育方針
記述問題は考えが合っていれば点数がもらえる
石塚先生 答案を見ると計算式だけの解答が多かったですね。
野村先生 「考え方を書く」と言っても、算数の記述問題は計算式が書けていれば十分です。この問題の場合、「学年で3つ、クラスで3つ、出席番号で6つ」という程度の説明で構いません。
正解までたどりつかなくても、「学年で3つ」「クラスで3つ」という途中の考え方が合っていれば部分点をあげています。本校の記述問題は、なるべく点数を取らせるねらいもあります。がんばって考えたことに対してできるだけ評価してあげたいと思っているので、「記述だから」と身構えず、あきらめないで問題に向き合ってほしいと思います。
インタビュー1/3