出題校にインタビュー!
明星中学校
2014年10月掲載
明星中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.幼い頃のたくさんの「なぜ?」の答えが実験で納得できる
インタビュー2/3
地球との共存を今のうちから意識する
本田先生 本校の入試の構成は、物理・化学・生物・地学と環境や時事問題の大問5題、配点は各分野20点が基本です。
環境関連や時事的な話題を出題するのは、世の中の出来事に目を向けてもらいたいという思いがあるからです。今の子どもたちが大人になったとき、「地球との共存」は大きな課題になるでしょうから、その意識を現段階で持っているかどうかを見たいと思っています。
明星中学校
低学年から『書く』ことに慣れておく
本田先生 理科に限らず、現代はアウトプットの力が求められています。「書く」ことは高2・高3でいきなりはできません。低学年から「自分の考えを文章で表現する」ことの必要性を感じ、中学の定期試験でも記述問題をできるだけ出題しています。ですから中学入試でも数行程度の文章を書く力を試しています。
この段階の記述力としては、ポイントを押さえて、子どもらしい発想や表現で論理的な文章が書けていればよしとしています。なるべく受験生の意図をくみ取るように採点していますが、文章として成立していない答案は減点します。誤字も減点対象になります。
理科入試を始めた頃に比べて記述問題は増えていますが(2014年第1回入試23問中5問)、対応できている受験生は多いのではないかと思います。
2014年第1回入試では、現在大気汚染の問題を抱えている中国に、かつて大気汚染の問題を解決した経験から日本ができるアドバイスを記述させる問題を出しました。これは受験生に自由に発想してもらって、自分の考えをまとめる記述力を試しています。この場合は、理科以外の、社会科的な発想も許容範囲です。理科の中の社会科的な視点、社会科の中の理科的な視点は大事にしたいと思います。
中学は時間的な余裕を活かして多くの実験に取り組む
本田先生 中学3年間は、単元にもよりますが、実験と講義を交互に行うペースで多くの実験に取り組み、興味を持たせながら論理的思考力の土台づくりに力を入れています。高校ではなかなか実験の時間が取れないので、中学で実験を通して多くの経験をさせたいと思っています。
本校はすべての教科でカリキュラムの先取りはしていません。先取りをして“消化不良”を起こすよりも、中学の内容を中学でしっかりやろう、理科であれば実験に多くの時間をかけて体験させようというのが本校のスタンスです。
教頭/本田 康男先生
たくさんの『なぜ?』を持つ生徒は実験で『そうか!』と合点がいく
中学のカリキュラムで、自然現象の理論の“さわり”は大体学びます。幼い頃からたくさんの「なぜ?」を持っている生徒は、中学の理科の授業で「そうか!」と腑に落ちることがきっと多いと思います。その方が、授業の内容をただ単に「ふーん」と聞いているよりもはるかに頭に入りやすい。「なぜ?」がたくさん浮かぶようにするには、本だけではなかなか難しい。だからこそ、幼い頃から自然の中で遊ぶことをお勧めしたいのです。
自然現象を目にしたときに素通りしてしまわないためには、原体験というか、小学校入学前から、親御さんがお子さんを自然に触れさせる経験をたくさん持たせることだと思います。幼い子どもは目にする事柄が不思議で仕方がありません。子どもの「なあに?」に丁寧に答えてあげること、小学生になったら「なぜだと思う?」と投げかけて子ども自身に考えさせることが大事です。
最近は、危ないことは子どもにさせないという風潮がありますが、火起こしなど手を動かすことで、「なぜだろう?」という疑問が自然とわいてくることもあると思います。
明星中学校
インタビュー2/3