中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

明星中学校

2014年10月掲載

明星中学校【理科】

2014年 明星中学校入試問題より

太郎君が歩いているとトウモロコシを植えてある畑がありました。よく見ると、イラストの矢印のようにトウモロコシの成長に違いが見られました。畑の持ち主に聞くと、わざとこのように栽培しているとのことでした。
なお、この畑の地面は水平で、トウモロコシを栽培する前の地面への太陽の光のあたり方や土の中の水分量などの環境条件はみな同じでした。下の問に答えなさい。

(問1)このような成長の違いが見られるように、畑の持ち主はどのような栽培の仕方をしたのでしょうか。文章で説明しなさい。

(問2)このような成長の違いは、植物の成長にある有効な効果があります。どのような効果でしょうか。文章で説明しなさい。

(問3)(問2)の効果を考えると、このイラストの左側の方角はどちらですか。次から1つ選び、記号で答えなさい。

  • (あ)東
  • (い)西
  • (う)南
  • (え)北

トウモロコシの高さ

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この明星中学校の理科の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、出題意図についてのインタビューを見てみましょう。

解答と解説

日能研による解答と解説

解答
  • (問1)列ごとに種をまく時期をずらした。
  • (問2)どのトウモロコシにも日光が当たりやすく、光合成を十分に行うことができる。
  • (問3)う
解説
  • (問1)問題のイラストから、右側に植えられたトウモロコシほど背が高く、より成長した段階の株であり、左側に植えられたトウモロコシほど背が低く、より若い段階の株であることが読み取れます。このことから、右側のトウモロコシほど早い時期に発芽した株であると推測できます。畑の持ち主が、種子をまく時期を意図的にずらすことによって、このような成長の違いが生まれたと考えられます。
  • (問2)植物が成長していくためには、光合成を十分に行い、栄養分を自らつくりだす必要があります。トウモロコシの成長の違いから、背の高さにも違いが生まれたことによって、どの位置に植えられたトウモロコシも日光を受けやすく、十分に光合成を行うことができると考えられます。
  • (問3)太陽は東からのぼり、南の空を通って西へしずむので、畑のトウモロコシも主に南側から日光を受けることになります。イラストを見ると、左側に植えてあるトウモロコシほど背が低く、この畑では、左側から日光を受けていると考えられるので、左側の方角は南であると推測できます。なお、右側の方角を南であると仮定すると、日光は、右側の背の高いトウモロコシにさえぎられ、他のトウモロコシには日光が当たりにくくなってしまうと考えられます。
日能研がこの問題を選んだ理由

太郎君が気づいたトウモロコシ畑のトウモロコシの成長の違い。畑の持ち主にたずねてみると、成長の違いが意図的に栽培した結果であることがわかります。

この問題では、なぜトウモロコシをちがいが生じるように栽培したのか、生じた成長のちがいによってどのような効果があるのか、といったことを、状況から推測し、筋道を立てていきます。

この問題を通して、子どもたちが身のまわりで目にしたさまざまなことがらについても、自ら原因やしくみに目を向け、因果関係を明確にしながら現象をとらえることにつながるのではないでしょうか。

このような理由から、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことに致しました。