出題校にインタビュー!
成城学園中学校
2014年08月掲載
成城学園中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
3.中学入試の算数の問題は幅広い。だから、問題を作る先生方の視点も幅広い
インタビュー3/3
入試問題を作る先生は、今年はこのメンバーでと決めるのですか。
冨田先生 基本的に数学科として作っていますので、みんなで考えます。
今年は何にしようかとぼんやり考える時に、「これ、いいな」と思う瞬間があると思うのですが、それは大学入試や高校入試、または小学校入試を見て発想されるのか、そのあたりはどうなのでしょう。
冨田先生 正門前の地面に正六角形の形がすき間なく埋まっているのですが、何年か前の問題はそれを見て考えました。そういうこともあれば、高校の教科書を見てというのもあります。ちょうど今、高校の教科書の中に新しいカリキュラムとして整数の性質が入ってるのですが、その中には小学生も答えられるものもあるなと眺めてみたりします。割るとか余るとかという感じの文章ですね。合同式あたりもおもしろいかもしれません。
先生方が持ち寄ってきた問題をみなさんで検討する時に、あ、これ大学入試の問題を使ってるなと感じたとこなどはありますか。限られてしまいますが、高校の教科書に載っている範囲としては、整数論とか場合の数、立体で若干使えるものがあると思うのですが。
冨田先生 そう言えば、軌跡の問題でカージオイドやアステロイドになるものがありました。中学受験の算数は、ほんとうに扱う守備範囲が広いですからいろんなところから使えるものがあると思います。
成城学園中学校 銅像
創立者の澤柳政太郎先生が「楽しみは見出すものだ」と言っていらっしゃいますが、いつも、一番最後の問題がおもしろいですね。その場で考える問題で、去年は朝顔の観察でした。最後の問題を見るのも、楽しみです。
冨田先生 ありがとうございます。誤解を恐れずお伝えすると、うちの数学科の教員は根っこの部分で受験問題を楽しんで作っているところがあるんじゃないのかなと思います。そういう自由な発想ができる場があるということでしょうか。ただ最近は成城学園を受験する層と我々が考えた入試問題のレベルが乖離しているのではという声がいろんなところから聞こえてきたりもします。その辺は我々の課題かなと。例えば誘導の設問を用意することでより取り組みやすくする方法もあると思います。ただ、その誘導を置くことで、本当に考えてほしいところが考えなくてもよくなってしまったりするときもあり、問題作成の難しさを感じます。その辺りは、もっとこちらが勉強して考えていかなくてはならないと個人的に思っています。
インタビュー3/3