大転換期を迎えて——

「壁」を越えるための重要なファクターは「言葉」「数」「形」そして「ファンタジー」であり、その適度なバランスであると、私たちは考えます。特に「言葉」の獲得は、抽象的な概念や社会性の獲得において不可欠であり、その獲得のプロセスが後の学びに大きな影響を与えます。

言葉は「文字」と「音」の習得で獲得しますが、文字の習得だけを性急に、あるいは偏重してしまうと、バランスが崩れ、「壁」を乗り越えるときに困難を感じます。「音」は他者と共にいますが、「文字」は自分一人でいることができるからです。他者とのコミュニケーションのチカラとしての文字との差に目を向けましょう。言葉のいびつな獲得プロセスが、将来の抽象的な学びに大切な役割を持つ「ファンタジー」を損なうことも心配です。

だから私たちは、子どもたちがしっかりと「壁」に向き合い、それを乗り越えていくプロセスに共にいたい。そして、世界へ、未来へつながる学びという視点から、「言葉」「数」「形」「ファンタジー」をバランスよく同居させた、子どもたちの豊かな学びをつくっていきたい。
日能研ができること。すべきこと。私たちは子どもたちと共に歩み続けます。

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  1. 9歳の壁
  2. 子どもたちが9歳前後に迎える大転換期
  3. 大転換期の前に——
  4. 大転換期を迎えて——