自分の居場所が見つかるように

  • Vol. 1524 : 2017/09/01

女子学院中学校女子校

難関校の1つである女子学院中の入試問題は、「正確かつ迅速な処理が求められる」と、よく語られます。
また、国語・算数の満点と、社会・理科の満点が違うという学校も多い中で、女子学院中4科目均等配点
4科目ともに、100点満点、試験時間は40分です。
女子の難関校としては、「ちょっと変わっている」とも言えるスタイルです。

先日、女子学院中で行われている学びについて、お話を伺う機会がありました。
女子学院中のカリキュラムは、高校2年生まで、ほとんどが必修科目。その根底にあるのは、リベラルアーツの考え方です。

何か1つに特化して深く学んでいくことも、大切なことではあるけれど、
何事にも適応できる柔軟性を持つために、幅広い学びを大切にしたい。
今、自分が関心を持てる分野は深く学ぶ。そして、それ以外の分野もおろそかにせず学ぶ。
いつか、今の自分が関心を持っている分野と、
今は全く関心を持てていない分野が、つながるかもしれない。
そのとき、学びはつながり、深まり、広がる。


どれもおろそかにせず、バランス良く学んでいってほしい、という先生方の思いは、中学入試の4科目均等配点というところにもつながっています。
女子学院中の4科目均等配点は、学校が大切にしている学びの表れだったのです。


「自由」で有名な女子学院中ですが、生徒さんが「自分の勉強のしかたを見つける」ことも大切にしています
自分で勉強することが面白くなるまで待つことも大切、と先生方は考えていらっしゃり、
生徒さんたちと先生方のやりとりも、小テストや個別対応といったサポートも、充実しています。
6年間をかけて、自分の好きなことを決めてほしい、という先生方の言葉が印象的でした。
単なる「自由」ではなく、「自立」へ向けた「自由」。

先日開催された「私学のナカミを知る会」(※)において、
「必ずしも、リーダーになることだけが目標ではない」と、院長先生はおっしゃいました。
「人は誰でも一人ひとり違った賜物や才能が与えられているのだから、
自分が持っている力の活かし方を自分で知り、自分の場所を見つけてほしい。」
非常に印象的な言葉でした。

女子学院中で、主体的に、1つ1つを大切に、幅広く学んだ生徒さんたちだからこそ、
自分の持っている力の活かし方を考えられるようになるのだなと、
この学校の「自由」の奥深さを感じました。


※ 私学のナカミを知る会
日能研では、教室に私学の先生をお招きし、教育理念から具体的な教育内容・取り組み、生徒さんの様子などを語っていただく「私学のナカミを知る会」を開催しています。
学校で行われる説明会よりも小規模の会となりますので、先生との距離も近く話が聞け、また保護者の皆さまから先生に質問する時間を設けることも多くあります。

エスさん

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