自調自考の精神が具現化されている、武蔵の理科と数学

  • Vol. 1377 : 2016/12/28

武蔵中学校男子校

武蔵中学校に進学した中一の子どもが、塾に遊びに来てくれました。

テスト期間がほぼ終わって冬休みに入る関係か、ふらっと来てくれたのです。
その子には、前回は6年生のクラスに入って話をしてもらっています。
「せっかく来てくれたので、今日は5年生のクラスで武蔵のようすを伝えて欲しいなあ」
と言うと、快く引き受けてくれました。
「本当、この子は日能研が好きなんだなあ。」と思いつつ感謝です!!
自分の担当授業まで、まだ数分の時間があったので、学校のようすを聞いてみました。

武蔵の中一生として、先日、箱根に行ってきたといいます。
もちろん、大人とちがって「温泉旅行」というものではありません。
「自然観察をしてレポートを書く」という理科の学習活動だそうです。
武蔵の理科の先生からうかがった
「レポート作成で科学的思考力が育てます」というお話しを思い出しました。
「レポート書くのってどんな感じかな?」と聞くと、
1ページとかではなく、数枚書くのだそうです。
「書く」といっても文字だけではないのです。
「ようす・しくみをくわしく観察し、それを絵にします。
 そして、くわしく観察して気づいたことを伝え、そのうえで考察をかくので、楽しい!」
と答えました。
他の人のをパクってはいけないけど、数人で相談して同じテーマで書くというレポートもよいそうです。
また、レポートは「先生からのコメント」と「評価」をつけて返してくださるので、
それが励みになるといいます。
「課題を楽しめる」というのとてもよいことです。
人に自分の考えを他の人に説明したり、他の人の考え方を聞いたり見たりするのが好きな子どもだったので、
本当に武蔵に進学してよかったなと思いました。

また、自分が算数の担当なこともあり、数学の授業などのようすを聞いてみました。
すると、「理科のレポートも楽しいけれど数学も楽しい!」と言いました。
グループワークのようなことはしませんが「先生とのやりとり」があるそうです。
子どもが前に出て発表するとそれに対して先生がフィードバックをくれるようです。
特に幾何が楽しく、テストの点数もすごくいいんだと自慢していました。
根拠を明確にして説明することが大好きな子どもなだけに、
図形を使って論証することは楽しくてしょうがないのでしょう。
さらに「幾何はわかったけど、代数はどうなの?」と聞きました。
代数は今、関数をやっているようです。
「どんな関数?」と聞くと、「1次関数」と答えました。
「そうか、直線になるやつね。」
「そうそう。」
なんてやりとりをしました。
ただ先にどんどん進むというのではなく、根拠を明確にしつつ、
視点を増やしてながらじっくり進むという授業のようすが伝わってきました。

理科にしても数学にしても、
「ていねいに事象を観察して、視点や根拠を明確にして、
 自分自身で考える」
という姿勢・力をじっくり育てる
という武蔵中のよさが具体的に実感できました。
5分程度の時間なので、他の科目、活動のことは聞けませんでしたが、
それでも「自調自考」の精神が具現化されていることが伝わってきました。
また、そういう環境に子どもが進むことを支援できてよかったと思えて、
とてもうれしい気持ちでいっぱいになりました。

Z.S.

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