蒼天

  • Vol. 1098 : 2015/11/03

東京女学館中学校女子校

今春、日能研を卒業したご家庭のお父様からお話をうかがう機会がありました。
その話は、こんなくだりから始まりました……

ふとしたきっかけで、ずっとずっと記憶の奥底にあった何かがよみがえることあります。
それは心地よい秋風と共に運ばれてきた火薬の匂いでした。
見上げた空のうろこ雲よりも、自分が経験した運動会を思い出しました。
しかし、目の前で繰り広げられているそれは、かなり違う趣きでした。
そう言えば、女子校の運動会を見学するなんて初めての経験です。
娘の通う東京女学館の運動会。
そのクライマックスは、高校3年生による「カドリール、プロムナード」です。
中高6年間で、たったの1度しか披露されないそれは、あっという間に1時間近くも経っていました。
250人近くの生徒が、白地にブルーのリボンの制服で踊る姿、
指揮者もいないのにどうやって列や呼吸を合わせているのだろう。
踊りながら、苦楽を共にした250人全員と顔を会わせる仕組みになっていたり、
校章の人文字があったりと、途中、様々なナレーション付きで私学の6年間を凝縮しているようでした。
そして、みんなで考えたという「蒼天」の文字で締め括りました。
込み上げてくるものを抑えきれない生徒も大勢おり、
図らずも見ているだけのこちらも感情移入してしまいました。
この踊り、創立間もない1888(明治21)年から、もう130年近く続いているというから驚きます。
なるほど、卒業したての大学生の先輩、卒業生と思しき母や祖母の世代までもが駆けつける意味がわかりました。
娘はまだまだ中学1年生。
どんな人文字を見せてくれるのか、

と、本当に楽しそうに語ってくださいました。

学習アドバイザー:水無月美雨

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