環境教育

  • Vol. 749 : 2012/04/25

獨協中学校男子校

獨協というとリベラルな学校というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。放任主義とよくいいかえられるかもしれませんが、いまは決してそうでありません。創立して男子だけで129年を迎える獨協のいまは、欧米の文化を吸収しようとする明治期に創立した獨協から、自立を促す学校へと変貌を遂げています▼その一つは環境教育。先の大震災の後、放っておくのではなく、励まして育てる。終戦後、敗戦国のエネルギー問題は大きな話題となっていますが、都会から自然林である雑木林が消えつつある今、日本古来の常緑広葉樹42種類を生徒自らが校地の周りに植えることで、学校に鎮守の森を創ろうという取り組みです。都会でも緑は増えてきました。神宮外苑の銀杏並木などは壮観ですね。しかし、自然というのはさまざまな植生があってのこと。同じく校内にあるビオトープや屋上緑化とともに、環境教育の机上のものだけにせずに、その体験を通して実感するのが、いまの獨協教育の特徴の一つといえます▼獨逸協会の学校を立て直した中興の祖、天野貞祐が当時の生徒に投げかけ続けた「君たちは可能性そのものだ。」そして、東京都私立中学高校協会環境部委員長を務めた永井前校長の教えは、確実にそして進化して受け継がれています。環境大国であるドイツの学校は、1980年代まであった校舎の周りの塀は、樹木に変わっているように、近い将来の獨協も塀やフェンスではなくさまざまな種類の樹木で囲まれた学校となるでしょう。

教室スタッフ/吉村貫一郎

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