緑の園ではぐくむ自主性

  • Vol. 632 : 2011/10/16

香蘭女学校中等科女子校

旗の台駅前の穏やかな商店街を抜けると、こんもりとした木々が生い茂っている場所があります。古めかしい石造りの門からは、たくさんの緑に隠されて学校らしき建物は見えませんが、ここがまぎれもない香蘭女学校です。門から学び舎へと曲線を描いてのびるゆるやかな坂は、生徒たちが朝のあいさつを交わす場になっているのでしょうか。遅刻しそうな生徒は、この坂を懸命に駆け上るのかしら…などと勝手な想像もふくらみます。

香蘭女学校は、120年の伝統校。立教大学の継続校であり、聖公会に属している学校です。聖公会の人脈を活かした活動も多くおこなっています。3月11日の震災に際しては、有志の生徒と先生が被災地の聖公会の団体と協力してボランティアを行ったりもしたそうです。また、国際理解のための海外行事が多いのも特徴でしょう。イギリスのパブリックスクールのサマーコースに参加する語学研修や、立教英国学院と連携した長期留学もその一部です。「海外を見物することは、この年代の子どもたちに必要なことではない。現場の生活・文化にとびこむことが大切なのです」と校長先生はおっしゃっています。
これらの行事のなかには参加者希望制のものがたくさんあります。それは、「生徒たちには、自分のやりたいことを自主的にやってほしい」という学校の思いがあるからです。その思いを表している学校独自の取り組みのひとつに、中2~高2で行われる「SE学習」があります。これは、子ども自身が選択受講できる少人数制の特別講座です。授業の内容に沿った内容のものから、能や茶道、華道にバレエといった独特の内容のものまで開講されています。なかには、校内に生えている木の実を使った食品加工の講座まで用意されているそうです! 四季おりおりの植物に囲まれた緑豊かな環境だからこそですね。

香蘭女学校というと、立教大学への進学についても気になるところです。エスカレーター式の付属校ではありませんが、約半数の80名が立教大学の指定校推薦枠を使って進学し、学部もほとんどが第一希望へと進むそうです。他大学も含め、100名近くが推薦による進学をしますが、もちろん自ら受験を希望して受験指導を受ける生徒も少なくありません。このように、自ら幅広い進路選択ができるのが香蘭の魅力でもあるでしょう。また、指定校推薦を受けるにも基準があるため、勉強においても「なかだるみ」がないのも香蘭の良いところだと先生方はおっしゃいます。

たくさんの学校行事、そして勉強。自主性をもって両方を充実させる環境が香蘭女学校にはあるのですね。

教室スタッフ/N.K

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