探究心を動かす白い粉

  • Vol. 327 : 2010/10/30

鴎友学園女子中学校女子校

鴎友学園女子理科はとにかく実験。そんな言葉を証明するような授業を紹介します。

鴎友学園女子の実験室は一つではありません。横ならびにいくつかの教室にまたがって実験を行うことができるのですが、そのうちの一つの教室の棚に白い粉の入った12種類のびんがあります。びんのラベルには番号が書いてあるだけで、その白い粉が何なのかはわかりません。なんと、この白い粉が何かを調べるのが授業。この白い粉が何かを実験や資料を使って生徒自身が調べます。燃やしたり、液体と反応させたりするなかで、ときには毒ガスが出てきたり、爆発したりすることもあるそうです。

「でも、実験ってそういうものでしょう? 安全に留意することは絶対に必要だけど、安全な結果になると知っていて行う実験は実験とは言わないんじゃないですか?」とは教頭先生のことば。「だから、毒ガスが出るときには部屋を移動したり、爆発するときには距離をとったりします。そうすることで、行ってはいけない実験をなくし、生徒の探究心や研究する心を刺激したい

鴎友学園女子では理系に進学することを積極的に勧めてはいませんが、鴎友学園女子理系進学率は年々上昇しており、さらに大学院に進学する生徒の数も増えているとのこと。危険とあえて向き合わせる、自分の立てた仮説通りではなかった実験を経験させることで、どうして仮説通りにならなかったのか、実験のプロセスに問題はなかったか、つぎはどんな仮説を立て、どんな実験を行えばそれが実証できるのか。実験をして起きたことから生徒自身がふり返るという経験をくり返すことで、鴎友の生徒の「研究者の目」が養われているのだと感じました。

教室スタッフ/I.H

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