出題校にインタビュー!
頌栄女子学院中学校
2015年12月掲載
頌栄女子学院中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
1.正しく情報を読み取り、何を要求されているかを考える力をつけよう。
インタビュー1/3
変換する力を見たかった
この問題の意図からお話ください。
河野先生 算数に限らずどの教科でも、情報をきちんと読み取ることを大事にしています。何を要求されているかを考えるには、正しく情報を読み取ることが必要だからです。算数の場合は、解答を導くのにふさわしい言い回しに変換することも大切です。もちろん、その上で計算が正しくできればいうことはありませんが、計算が正しくできることよりも、言い換えができることのほうが、先々他の科目でも大きく影響するだろうという思いがあります。今回の問題は、そういう意図をもって作られた問題です。
進路指導部長/河野敏子先生
記述問題には考えさせたいという意図がある
河野先生 見当違いのもの、途中で終わっているものも多々ありましたが、全般的に何かしらの答えは書いてありました。こちらが思い描いている答えを書いてくれる子は少ないです。入学した生徒の中にも、結論を急いで、途中を考えない子がいます。そういう生徒は、中学で抽象化される内容に入るとギアチェンジができなくて、先に進むことができなくなります。どうして、このようなことをさせるのかを考え続けてほしいのですが、残念ながら、一度結論を急ぐ習性が染みついてしまうと、そこから離れられません。
書くためには考える。だから記述問題は欠かせない
河野先生 算数の入試問題は毎年、担当者が問題を持ち寄り、修正をかけて整えます。ですから、この問題もみんなで作ったようなものです。受験生にとって、40分の試験時間で対応するには厳しいところもあると思いますが、記述問題をやめるという選択肢はありません。書くためには考えることが欠かせないからです。普段のテストなどでもなるべく書かせていますので、その流れで入試問題に記述問題が多めに採用されています。問題数を減らすと1問の配点が大きくなり、うまく力を測れないので悩ましく思っているところです。
頌栄女子学院中学校 校舎
問題を解いてわくわくしてほしい
この問題の原型は、どのようなものでしたか。
河野先生 言い換えの作業を経て、言葉で答えさせたいという思いで作り始めました。「倍数」などのキーワードもあったかもしれませんが、最初はまったく違う問題でした。うまくいかず、みんなで練りました。受験生が練習をしてきているであろう問題とは少々違った形の問題にするのが難しかったです。
この企画に選ばれる問題は、不思議と子ども達が「おもしろかった」という問題なんですよ。
河野先生 問題を解いてわくわくしてくれたら嬉しいですね。過去問を解いた受験生が「この学校へ行ってみたい」と思ってくれることもありますから。「あっ、そうか」と発見する喜びを感じられる問題を出したいと思っています。
私は今、高3を担当していますが、大学の入試問題に挑み、大変ですが、すごくいい問題と出会って「わー、すごい」と感動するようなものと似たものが出来れば嬉しいです。
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