出題校にインタビュー!
星野学園中学校
2015年03月掲載
星野学園中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.中高一貫生は問題に向き合って考える習慣がついている
インタビュー2/3
発想の豊かさを計る問題も出題したい
大高先生 入試問題は基本から応用まで取り上げるようにしています。基本問題は教科書に準じた問題をもう少し増やすことも考えています。応用問題は、論理的思考力を試す問題やパターンにはまらない問題を出すことで、受験生が持っている知識や技術を総動員して発想力の豊かさを計りたいと思っています。
算数や数学の読解力や記述力についてはどのように考えていますか。
大高先生 問題を読んで、まず何を問われているのかをつかまなければなりません。数学の問題は、内容を表にまとめたり図解するなど、問題文を“変換”できると何を問われているのかをつかめると思います。読解力をつけるために、具体例を出したり、いろいろな答えが出るような質問をしたり、発問を工夫するようにしています。
小学生の場合、記述といっても思いついた数字をメモする程度になりがちで、「読んでもらう」ことに意識が向けられていません。その点は中1を見ても厳しいと感じます。ですから中高6年間で、メモではない、筋道が通った答案が書ける記述力を身につけさせたいですね。
数学科主任/大高敦子先生
数学で身につけた思考力を日常生活で活かす
大高先生 数学科では「生きるための数学的思考力」の育成に力を入れています。自分の考えを相手にきちんと伝えるにはいろいろなことを順序立てて考えられなければなりませんから、数学を学ぶことで論理性が鍛えられます。また、授業で学んだことを学習だけでなく実生活でも活用できるようにすることも大切です。基本的な考え方は、問題を解く場合も日常生活での取り組みも同じだと思いますから、数学で身につけた思考力をいろいろな場面に活かせるようになってほしいと思います。
中学生の現状を高校の教員と共有する
大高先生 私は高校生を教えていますが、中学と高校で生徒の情報を共有するようにしています。どこまで教えているのか、どのように教えているのか、教科会議や授業の見学等で共有して、一貫生が中学から高校へスムーズに移行できるように連携しています。
中学の教員からは、教え方で困っていることや、どこまで深く教えて高校にバトンタッチすればよいか相談されます。一方、高校の教員からは、高校に進学した一貫生の様子や、身につけてもらいたいことの要望を伝えています。高校生を教える立場としては、豊かな発想力を活かすためにも、中学で計算力をしっかり身につけてもらいたいですね。
星野学園中学校
発想力が豊かなのは型にはまらない生徒
大高先生 こちらが予想していなかったユニークな発想をする生徒は、よい意味でこちらの言うことを聞かないことが多いものです。型にはまらない、とんがった発想ができるのは自分の考えをしっかり持っているからなのかもしれません。ユニークな発想は他の生徒の刺激になっています。
一貫生を見ると、作業を面倒くさがらずに試行錯誤する習慣がついているように思います。それは「問題に向き合って考える」ということを、中学の授業で日常的に行っているからだと思います。中学は授業時間が多く、また習熟度別授業を実施しているので、自分のペースで学習できます。上位のクラスの生徒はより深く考えられるようになっていて、その習慣を高校でも継続してくれています。
インタビュー2/3