出題校にインタビュー!
星野学園中学校
2015年03月掲載
星野学園中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
1.作業することを面倒くさがらず、試行錯誤して解こう
インタビュー1/3
長さだけの情報から2つの角の大きさの和を求める
大高先生 この問題は「2つの角の大きさの和」を、少ない条件から求めます。解答の手順としては、まずアとイの角が隣り合うように図形を動かすこと。さらに、補助線を一本引いてアとイの角を含む直角二等辺三角形をつくることです。自由に、あれこれ考えながら試行錯誤して解いてもらいたいと思って作問しました。
この問題で与えられている情報は長さだけで角度については示されていません。それぞれの角を含む三角形ととらえて、一方の三角形をひっくり返して隣合わせにすればよく、小学生らしい発想で解けると思います。逆に大人は知識があり過ぎてかえって難しく考えてしまうかもしれません。
数学科主任/大高敦子先生
筋道を1つ1つ踏まないと正解にたどり着けない
大高先生 この問題の正答率は35%でしたが、もう少しできるのではないかと思っていました。答案用紙は解答のみの記入ですが、回収した問題用紙には受験生が試行錯誤した形跡が残っています。それを見ると、出題のねらいどおりに正解にたどりついたものがある一方で、図を移動するところまではかけたものの、そこから補助線を引いて直角二等辺三角形をつくるには至らなかったものも見受けられました。
小学生は筋道を追わない、何となくの連続で解く傾向がありますが、この問題は1つ1つ筋道を踏んでいかないと正解の「45度」にたどり着けません。この問題から、作業を怠らない、面倒くさがらずに取り組んでもらいたいという貴校のメッセージが込められていると感じました。
問題に真剣に向き合う経験は将来に活きる
大高先生 手数をかけて解く問題を苦手にしている受験生が多いように思います。自分の手を動かして試行錯誤しながら、粘り強く問題に取り組んでもらいたいですね。
考えるタイプの問題は、形式的にやっても身につきません。本気で問題と向き合う姿勢が求められます。
大高先生 ぱっと見てわからないからすぐに答えを見るのではなく、30分ぐらいは“格闘”して、持っている知識や技術を使って何とかして自力で解いてみようとしてほしいですね。最終的に答えにたどり着けなかったとしても、粘って取り組んだ経験は社会人になったときに役立つはずです。
星野学園中学校
基本問題は確実に得点しよう
この問題は小問集合の大問1の(10)の問題です。学校説明会で大問1はしっかり得点してもらいたいと話していらっしゃいますね。ただ、この問題と次の問題(大問1の(10)と(11)の問題)は難しかったのではないでしょうか。貴校の入試問題は、ひとひねりした「考える問題」も出題していますね。
大高先生 平均60点を目安に作問しており、平均点は57〜58点でした。大問1と、大問2~4の(1)ができれば、算数で足を引っ張るようなことはまずないと思います。大問1は後半になるほど難しくなりますが、概ね得点できています。
貴校の計算問題は他校に比べて計算式がやや長いですね。問題にきちんと向き合う姿勢を求められているように思います。
大高先生 答案を見ると計算問題は90%程度できているので、しっかり練習してきたのでしょう、受験生の意気込みを感じます。
インタビュー1/3