中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

鎌倉学園中学校

2014年11月掲載

鎌倉学園中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.純粋で正直な生徒の集まり。その中で一生続く絆が育まれていく

インタビュー3/3

校舎改築でICT環境が整う

今、多くの学校でICTを取り入れていますが、それについてはどのようにお考えでしょうか。

齊籐先生 本校も校舎の改築でICTは入ります。ICTを使えば、本文を手軽に出せるので板書の手間が省けます。その日のポイントになるところも、今までは板書して、ノートに写させていたのが、ボタン一つでモニターに出せる環境になるので、あとはそれをどう活用するかだと思います。若い先生はiPadを持っていて、すでにプロジェクターを使って授業を進めています。私達の世代はまだ板書をしたり、プリントをノートに貼らせたりしているので、そこがどう変わるかだと思います。

青瀬先生 おもしろそうはおもしろそうですよね。本校も教員の若返りが進み、若い先生が一生懸命に取り組んでいるので、いい方向に変わっていくと思います。

国語科/齋藤先生

国語科/齋藤先生

教員も男性が多い

勝手なイメージですが、先生も男性が多いのでは?

齊籐先生 その通りですよ。

青瀬先生 70人くらい教員(専任)がいますが、女性は4人しかいません。国語科に1人、数学科に1人、英語科に2人。あとは全部男性です。

先生は6年間、持ち上がりなのですか。

齊籐先生 中学と高校に分かれていますが、授業は両方持ちます。国語科では中1と高3をもつような場合もありますし、担任を持つと、その学年がメインになります。

高校では、一貫生と外部生は混ざるのですか。

齊籐先生 進度が違うので混ざらないです。

青瀬先生 高校からの入学生は3クラスの予定なのですが、最近は人気があり、やむをえず4クラスになることが多いです。

齊籐先生 高校は同じような学力レベルの男子校がないので、小田原や三浦から通って来る生徒もいます。

教員の3分の1は卒業生

先生方は鎌学の卒業生ですか。

青瀬先生 私達は違いますが、卒業生も結構いますよ。教員の3分の1は卒業生だと思います。なにしろ教員志望の卒業生はみんな本校に戻ってきたいのです。ところが空きがないので、何年か公立校に勤めたり、企業に勤めたりして、様子を見ているというのが実情です。国語科にもタイミングよく入れた卒業生が一人いますが、そういう人は幸せだと思います。

卒業生が彼女を連れて、職員室にふらっと立ち寄るんですよ。そういう学校はそうないでしょう。

齊籐先生 生徒と教員の距離が近いですよね。生徒が職員室にしょっちゅう来ていますからね。

建長寺

建長寺

鎌学=ムーミン谷のような居心地のいい学校

青瀬先生 私は学校説明会で、「ムーミン谷みたいないいところで、楽しく生活しています」と言っていました(笑)。来ていただいてわかるように、なんの誘惑もない静かな場所で、我々も生徒も保護者も、みんな満足して幸せに暮らしています。

齊籐先生 それを言葉で説明し、理解してもらうのが難しいんですよね。私も昨年、高3を担当し、「鎌学でよかった」という声を、本人はもちろん、保護者からも聞きました。

青瀬先生 男の子は、お母さんに進められるままに男子校に入ってきます。

齊籐先生 中1、中2の頃は男子ばかりのほうが楽しいのですが、中3あたりで(女子がいない寂しさに)気づくんですよね(笑)。女の子の成長が早いので、小学校時代に圧倒されて「のびのびと過ごしたいから男子校を選んだ」と言って入って来た子も、中3あたりになると「やっぱり女子がいたほうがいいです」と言ってきます(笑)。ところが卒業し、大学に新しい友達ができて、女の子と知り合っても、一緒にいて楽なのはやはり鎌学の仲間のようで、卒業してからもずっとつるんでいるのです。

青瀬先生 6年間は長いから、ここで築く絆は一生もの。それは僕ら教員と生徒の間でも、同じことが言えます。

質の高い子ども達が集まっている

青瀬先生 学校のまわりに誘惑するものがなにもないので、生徒は純朴に育っています。携帯電話にしても禁止する必要がないのです。校内では電源を切っていることになっていて、もちろん授業中に使っていたら取り上げますが…。時々電源を切り忘れて鳴ることがあっても、まあね。

齊籐先生 僕はそういう時に「出ろ」と言いますよ(笑)。「大事な連絡かもしれないから出ろよ」と言うと、「いえ、いいです」とか言って、あわてて切っています(笑)。

ピュアですね。

青瀬先生 周りも「お前、なにやってんだよ。切れよ」と言う。そういう意味では非常に質の高い子ども達が集まっていて、僕らが指導をする上で困ることがありません。

鎌倉学園中学校 先生

鎌倉学園中学校 先生

文章を読んで自分の考えを自分の言葉で伝える訓練をしよう

最後に受験生に向けて、メッセージをお願いします。

齊籐先生 入試問題を見ていただければわかるのですが、文章をしっかり読んで、基本的な読み取る力や考える力をしっかりと身につけてきてもらえれば中学校に入って伸ばしていけると思いますので、そこだけはしっかりやってきてほしいと思います。

青瀬先生 本校の入試問題は、30年前から全く変わっていないです。長文をしっかり読むことができて、指示語であれ、主人公の心情であれ、言いたいことであれ、そういう設問にきちんと答えられるベースを作ってきてもらえれば大丈夫。そのためには、小学生の時から人の答えを気にすることなく、間違えてもいいので、自分の考えを持ってほしいですね。違っていれば学校や塾の先生が「こういうふうに違っているよ」「こういう見方もあるよね」というように、アドバイスしてくれると思いますので、恐れることなく自分の考えを自分の言葉で伝える訓練をしてきてほしいと思います。

インタビュー3/3

鎌倉学園中学校
鎌倉学園中学校鎌倉五山の第一刹建長寺が、宗派の師弟教育のため設立した「宗学林」を前身とし、昭和22年(1947年)学制の改革により法人名を鎌倉学園とし、鎌倉中学校と鎌倉高等学校が併設されました。、「質実剛健」の武士の魂と、「自主自律」の禅の精神を現代に受け継いで、知・徳・体のバランスのとれた教育を目指しています。校訓は『礼義廉恥』で、教育のモットーである『文武両道』は、今までも、そして未来へと鎌倉学園が追い求めていく姿です。
礼義廉恥を校訓としての人材が育成されています。「礼義廉恥」とは、中国の古典「菅子」という書物の中に出てくる言葉からとられたもので、「礼」とは「節度を守ること」。「義」とは「自分を実際以上に見せびらかさないこと」。「廉」とは「自分の過ちを隠さないこと」。「恥」とは「他人の悪事に引きずられないこと」。教育目標は、父の厳と母の慈を根本として、知徳体一体の教育を行うことです。殊に現代社会の進歩に適応できるように進路指導を特に重視し、適性・能力に応じて指導をすると共に、生徒会活動・クラブ活動・ホームルーム等を通じて、社会の一員として理想的な生活態度を養い、情操豊かな人間の育成に努めてきました。校風は、豊かな宗教的環境の中で、学校全体が家庭的友愛精神に結ばれ、誠実の気風に満ち、生徒達は明朗な生活を楽しんでいます。
生徒の学力と適性に応じた指導や基礎学力の充実に重点をおいた指導が心がけられており、英語、国語、数学、理科、社会等基本科目はもとより、国際化に向けた「話せる英語」の修得をめざし、外国人教師による英会話プログラムを実施、年一回の英語検定も行っています。土曜日には「鎌学セミナー」3時間と通常授業1時間の授業が行われます。「鎌学セミナー」とは、国語・数学・英語の特別授業のことで、通常授業とは一線を画した1回完結の内容となっており、多角的な視点から学力の向上を図ります。
広大な建長寺の境内に隣接して建つ鎌倉学園。静寂な環境の中、集中して自己研鑽に励むことができます。古都鎌倉との調和を図りながら整えられた教育環境に包まれ、日々の生活の中で四季の移り変わりが感じられます。