中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

鎌倉学園中学校

2014年11月掲載

鎌倉学園中学校【国語】

2014年 鎌倉学園中学校入試問題より

(問)次の空欄ア~コに、例にならってそれぞれ適切なことばをひらがなで入れて慣用句を作りなさい。

【例】
鼻が ⇔ 腰が
【1】
顔が(ア)    ⇔ 心が(イ)   
【2】
胸を(ウ)    ⇔ 顔を(エ)  
【3】
首を(オ)     ⇔ 足を(カ)   
【4】
頭が(キ)    ⇔ 腕(うで)が(ク)   
【5】
耳に(ケ)    ⇔ あごを(コ)  

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この鎌倉学園中学校の国語の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、出題意図についてのインタビューを見てみましょう。

解答と解説

日能研による解答と解説

解答
  • 【1】(ア)ひろい(イ)せまい
  • 【2】(ウ)かりる(エ)かす
  • 【3】(オ)ちぢめる(カ)のばす
  • 【4】(キ)さがる(ク)あがる
  • 【5】(ケ)はいる(コ)だす
解説
  • 【1】まず、「顔が」という言葉をふくみ、ひらがな三字の言葉をともなう慣用句を考えると「顔がうれる」「顔がひろい」などがあることがわかります。次に、「うれる」「ひろい」のうち、ひらがな三字で、反対の意味を持つ言葉に何があるのかを考えます。すると、「ひろい」の反対語に「せまい」があるとわかります。それを「心が」の後に続けると「心がせまい」という言葉が完成します。
  • 【2】「胸を」という言葉をふくみ、ひらがな三字の言葉をともなう慣用句を考えると「胸をかりる」「胸をこがす」などがあることがわかります。次に、「かりる」「こがす」のうち、ひらがな二字で、反対の意味を持つ言葉が何であるのかを考えます。すると、「かりる」の反対語に「かす」があるとわかります。それを「顔を」という言葉の後に続けると「顔をかす」という言葉が完成します。
  • 【3】「首を」という言葉をふくみ、ひらがな四字の言葉をともなう慣用句を考えると「首をかしげる」「首をちぢめる」などがあることがわかります。次に、「かしげる」「ちぢめる」のうち、ひらがな三字で、反対の意味を持つ言葉があるかどうか考えます。すると、「ちぢめる」の反対語に「のばす」があるとわかります。それを、「足を」の後に続けると「足をのばす」という言葉が完成します。
  • 【4】「頭が」という言葉をふくみ、ひらがな三字の言葉をともなう慣用句を考えると「頭がいたい」「頭がかたい」「頭がきれる」「頭がさがる」などがあることがわかります。次に、「いたい」「かたい」「きれる」「さがる」のうち、ひらがな三字で反対の意味を持つ言葉があるかどうか考えます。すると、「さがる」の反対語に「あがる」があるとわかります。それを「腕が」の後に続けると、「腕があがる」という言葉が完成します。
  • 【5】「耳に」という言葉をふくみ、ひらがな三字の言葉をともなう慣用句を考えると「耳にあたる」「耳にさわる」「耳にとまる」「耳にはいる」などがあるとわかります。次に、「あたる」「さわる」「とまる」「はいる」のうち、ひらがな二字で反対の意味を持つ言葉があるかどうか考えます。すると、「はいる」の反対語に「だす」があるとわかります。それを「あごを」の後に続けると、「あごをだす」という言葉が完成します。

今回は、一つ目の慣用句に目を向けて、「慣用句を構成している、体の一部分を表す言葉に目を向けて慣用句の全体像をとらえていく」ことを行い、次に「あてはめた言葉の反対語は何であるのかを考える」ことで、二つ目の慣用句を完成させていくという方法でそれぞれの問題について説明を行いました。今回の方法のほかにも、「二つの慣用句の空欄部分にあてはまる言葉を、それぞれ決められた字数で思い起こし、なおかつ、その字数にあてはまる、反対の関係にある言葉が何であるのか思い起こしていく」方法もあります。このような方法で考えてみると、新しい発見があるかもしれません。

日能研がこの問題を選んだ理由

二つの慣用句が並べられており、それぞれの慣用句にある空欄部分に言葉をあてはめ、慣用句を完成させる問題です。

ここでは、慣用句そのものを知っているかどうかで問題が「解ける」「解けない」が決まるわけではありません。問題に取り組むときに、示されている「例」を参考に、あてはまる言葉どうしの関係をとらえたうえで、「慣用句を構成している、体の一部分を表す言葉に目を向けて慣用句の全体像をとらえていく」ことや「二つの慣用句の空欄部分にあてはまる言葉を、それぞれ決められた字数で思い起こし、なおかつ、その字数にあてはまる、反対の関係にある言葉が何であるのか思い起こしていく」ことで、答えを導き出すこともできます。

この問題では、慣用句を構成する一部の言葉から全体像を思い起こすチカラ、慣用句の一部の言葉から、対照の関係をとらえるチカラを、それぞれ発揮したり、組み合わせて使ったりすることができたかどうかが求められています。

ここで求められている、一部から全体像を思い起こすチカラや対照の関係をとらえるチカラ、いくつかの力を統合して使いこなすことは、中学進学後においても、有効なことだと考えています。

以上の理由から、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことにいたしました。