中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

城北中学校

2016年04月掲載

城北中学校の算数におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.教員がモチベーションアップを手助け

インタビュー3/3

教員が生徒の学び合いの中に入ってもいい

清水先生 私は板書の途中でも、わからないところがあれば「そこがわかりません」と言っていいよと生徒に言っています。生徒の疑問にできるだけタイムリーに答えてあげたいと思っています。

最近はアクティブラーニングの「学び合い」が注目されています。その学び合いの中に教員も入っていいのではないかと思います。ときには教員と生徒がフラットな関係になって、そのとき浮かんだ疑問をざっくばらんに出し合うのです。教員が「この問題をどうやって解けばいいかな?」と教員が学び合いの輪に参加することで話し合いが活性化すれば、学び合う雰囲気がクラス全体に醸成されるようになるのではないかと思います。

教員も生徒と一緒に学ぶことで新たな発見があるでしょう。数学の教員は問題が解けたときの喜びを知っていますから、その喜びや楽しさを生徒と共有できると思います。

入試委員長/清水団先生

入試委員長/清水団先生

モチベーションを高めると演習の継続にもつながる

清水先生 問題集やプリントでの演習も大切ですが、それだけでは生徒は苦痛に感じてモチベーションも上がりません。そこで、発展的な内容にも触れるようにしています。今学んでいることが将来の学びにどのようにつながるか、今学んでいることの周辺を伝える工夫をして、生徒の関心を高めるよう心がけています。

生徒を見ていると、問題が解けて正解すると数学が楽しくなる、好きになると、難しい問題にチャレンジしたり、自分でどんどん学び進むようになります。自分で学習サイクルを回すようになるまでのモチベーションづくりを教員が手助けできればと思っています。

数学は普通クラスを習熟度別に3分割して苦手な生徒に手厚く教える体制を取っています。その際、問題をたくさん解くだけでは集中力が続かないし、おもしろくないので、かえって悪循環に陥ります。演習もやりつつ、苦手な生徒にも周辺情報を与えることで学びの広がりを見せることで、「やってみようかな」とやる気になってくれたりします。選抜クラスに教えていない話をすると、それがモチベーションになることもあります。

アウトプットの演習問題を継続的に取り組むためにも、モチベーションを高める取り組みは不可欠ですし、大切にしています。大学受験や6年間の学習が、ただ苦痛なだけでなく、「苦しいときもあったけれど楽しかった」と言って卒業してくれれば、教員としてそれ以上の喜びはありません。

「自分1人で考える」ことも必要

清水先生 授業中に演習問題を解くときは、私は「周りと相談しないで1人で解くように」と言っています。相談するのは休み時間にしてもらって、「授業中は教科書を見てもいいから、まずは自分で考えて解こう」と言っています。

私語は厳禁、集中して解いてもらいます。それは「自分で考えて問題を解く」という作業を大切にしているからです。学び合いはこれからいろいろな場面で行われると思いますが、そのベースとなるのは、どれだけ自分が考えたか、問題と向き合ったかということだと思います。そうして考えを持ち寄るから、学び合いが実のあるものになると思います。

以前は教員が大切なことを早く教えてしまって、生徒にまったく伝わらないということがよくありました。それは「自分で考える」ことを教員が奪ってしまったからで、多少時間がかかっても、教員は待ってあげなければなりません。自分で考えて発した質問の答えは「そういうことだったのか」と体感として定着します。

城北中学校

城北中学校

LINEで生徒の質問に答える実験的な取り組みも

清水先生 これからはICT環境の整備を本格化します。電子黒板を使う授業も増えるでしょうし、タブレット端末をコミュニケーションツールとして使用する計画もあります。

生徒の質問に学校で対応できれば一番いいですが、すべての生徒に対応できないこともあります。わからないことに気づくのは学校にいるときとは限りません。家庭学習で初めてわからないところが見えてくることもあります。そこで実験的な試みとして、私はLINEで学校外の生徒とやり取りしています。

プリント学習している生徒が「ここがわかりません」とLINEで聞いてきます。それを見て、私は解き方を書いたものを撮って送信します。授業中の板書は大抵写真に撮っているので、板書したものを送ることもあります。

私は自宅で子どもと遊びながら生徒にも対応できるので、便利に思っていますし、負担に感じてはいません。どの教員もできるわけではありませんし、セキュリティ上の課題はありますが、ICTを使えば学習支援の可能性が広がると感じています。

教員の熱意が生徒を動かすこともある

清水先生 中には遅い時間に質問を送ってくる生徒もいますが、それは私が数学好きな教員だとわかっているからだと思います。私が「数学はおもしろい!」と楽しそうに教えることで、数学が苦手な生徒も、問題が解けたなどちょっとしたきっかけで好きになってくれたりします。「もう少し、計算ができるようになるといいね」とこちらが後押しすると、生徒はぐんぐん伸びていきます。そうした生徒をたくさん見てきました。

学年を持ち上がって受け持つと、クラブを引退してから大学受験に向けての高3のがんばり、成長はものすごいものがあります。ですから生徒には「がんばってやっていこう」と声をかけています。高3になると自分でどんどん学習するようになるので、それまでに自分で学び進められる体制に持っていけるように導きたいと思っています。

城北中学校

城北中学校

インタビュー3/3

城北中学校
城北中学校都立城北公園と石神井川に沿った緑豊かな環境に、約4万平方メートルもの広大なキャンパスが広がり、創立50周年を記念して建設された校舎には充実した学習・スポーツ・文化施設が整備されている。厳しい寒さにも耐え、春を告げる花の代表格である桜の花をあしらったデザインが。城北学園のマーク。創立からの、着実・勤勉・自主の精神と質実厳正の姿を象徴しています。
6年間を2年ずつ「基礎期」「錬成期」「習熟期」の3期間に分けて連携させる「3期体制」。その経験とノウハウから生まれた理想の教育プログラムは、難関大学への高い実績を生み出し、各界で活躍する卒業生の輩出している。各期間で生徒の発達段階に応じた目標を掲げ、一人ひとりの生徒が目標の達成に向かって努力し、成長を遂げられるように指導が行われている。
活発なクラブ活動は城北学園の伝統。全国レベルにある部活動も多く、運動部では、ラグビー部、少林寺拳法部、水泳部(水球競技)、文化部では、ラジオ部や囲碁将棋部が過去に全国優勝を果たしている。運動部や文化部。すべてがひとつになって城北学園の圧倒的なムーブメントを生み出している。