出題校にインタビュー!
昭和女子大学附属昭和中学校
2016年04月掲載
昭和女子大学附属昭和中学校の理科におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。
2.五感で学んでほしいから、理科では実験を大事にしている。
インタビュー2/3
意図をもって実験の問題を数多く出題
他の問題でも実験やデータを用いた出題が多いように思います。それは意図をもってのことですか。
丸山先生 ご指摘をいただいたとおり、意図をもって実験の問題を数多く出題しています。もちろん知識も必要なので、知識を問う問題も出していますが、知識だけを覚えても、本当の理科の力はつかないので、実験や考える問題を意識して出題しています。物理の問題などは、習ったことがなくても、与えられたデータと、受験生が身につけている知識で切り崩しながら、解いていける問題を出しています。たとえば浮力は、「浮力」という言葉を使ったとしても、その説明を入れて、比例と組み合わせれば解き明かせるように工夫しています。
入試・広報部長/小西泰先生
小テストでも実験を見せる
入学後も、実験は多いのでしょうか。
丸山先生 もちろんです。小さい実験や演示実験も、なるべく取り入れるようにしています。問2と重なりますが、「実験から出てきた現象や結果を素直に受け止めて、その原因を考察すれば、いいレポートになる」という話をしながら進めています。中1の小テストでは、実験を目の前でやって「さあ、10分後にどうなるでしょう」というようなこともしています。たとえば光合成だったら、二酸化炭素を吹き込み、葉っぱを入れて、光を当てて、10分後に石灰水を入れます。小テストには、「その後の結果を書きなさい」という設問があり、設問だけではピンと来なくても、実験を見れば「ああ、あれか」と思い出せる。そんな工夫もしています。
昭和女子大学附属昭和中学校 校舎
実験では4人くらいのグループワークが有効
小西先生 本校は簡単な実験の時は、教員が実験に必要なものを箱に入れて、教室に持ち込んで実験をすることもあります。
丸山先生 そうですね。教室でもできる実験があるので、よく行っています。授業の合間の休み時間が5分しかないので、異なるクラスで実験が2時間続くと、大忙しです。でも、実験を行うと、興味をもってくれますし、理解もしやすいので、苦になりません。ただ、気をつけないと、手品みたいに「ああ、楽しかった」で終わってしまうので、そうはならないように組み立てて行っています。実験は4人くらいのグループワークが有効です。1人だけだと考えなかったり、置いていかれたりしがちですが、グループワークだと話し合いますし、ふり返りができたり、教え合ったりして、いい成果が出ていると思います。
昭和女子大学附属昭和中学校
理科は教材も豊富
小西先生 理科はうらやましいくらい、教具・教材がたくさんあります。電子黒板に映像を流すと、生徒の目が爛々と輝いています。デジタル教科書なども、結構早くから取り入れています。
丸山先生 3年前の9月に、全教室に電子黒板が入りました。その時にデジタル教科書を入れてもらいました。その後、iPadも12台ほど買ってもらったので、4人に1台のグループワークでiPadを活用しています。
小西先生 今でいうアクティブラーニングですよね。本校では理科のみならず他教科でも積極的に生徒同士で意見を交わしながら考える授業を行っています。電子黒板導入後は、さらに増えたように思います。
研究レポートの書き方は本格的に指導
レポート指導は、どのように行っていますか。
丸山先生 中1から、形式や書き方を、段階を踏んで指導しています。レポートの結果には事実だけを書いてほしいのに、気をつけていないと感想を書いてきます。赤ければ「赤かった」と書く。「赤くてきれいだったでは、あなたの感想も含まれている」と言います。積み重ねていくうちに事実のみを書けるようになります。
小西先生 失敗を繰り返しながら、3回目、4回目とトライした時に、成功した4回目の結果しかレポートに載せない生徒がいます。失敗したのはなぜか、と考えることが大事。成功のためには失敗したデータも書くことが大事だということを体得してくれればよいと思います。
昭和女子大学附属昭和中学校
インタビュー2/3