中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

出題校にインタビュー!

栄東中学校

2016年03月掲載

栄東中学校の国語におけるアドミッション・ポリシーを聞いてみました。

3.自分の考えを自分で表現する力、発信する力を磨いて、大いに人とつながろう!

インタビュー3/3

人とつながる力をつけていきたい

アドミッションポリシーが学校教育に活かされていると感じる部分を教えてください。

奥田先生 本校には元気な子もいますし、おとなしい子もいます。それぞれに居場所があり、自分の夢を実現できる場所であればいいと思っています。ですから、こういう子に来てほしいというのはありません。

佐藤先生 建学の精神が『人間是宝』ですから、我々教員が子どもを大事な宝として接するという部分もありますが、子どもたち同士でも、仲間を宝だと思える仕掛けを学校の中で築いていると思います。

教科はそれをサポートするだけなので、平たくいうと、人とつながる力をどう身につけるか、ということを大事にしています。大学の先生と1時間話すには、論理的思考力だけでなく、発信力や人とつながる力がなければ難しいと思います。つながるというのは、流暢に話をするだけではなくて、困った時に助け合う。それもつながることの一つでしょうし、新しいことにチャレンジする。一歩を踏み出すというのも、つながることだと思います。

国語科/佐藤正行先生

国語科/佐藤正行先生

自身の体験を言葉で表現できる力は、人とつながる武器になる

佐藤先生 校長は「英語を話せる人はたくさんいる。グローバルとは英語を話すことではない。英語を使って何をするかだ」とよく言います。普段、我々が人と接していて説得力をもつ話というのは、自分の体験に根差したものだと思うのです。人の話って、「こういうことがあった」という体験談には、耳を傾けて聞きますよね。子どもたちにとっても、自分の体験を掘り下げて、きちんと言葉で表現できる力は、人とつながるためのツールや道具になっていくと思うのです。実は、本校入試で体験的な記述を出題した理由も、そうした体験談を語れる力を見たいという意図があったからです。そうした力を在学中に意図的に引き出してあげるのが、私たちの役目だと思っています。アドミッションポリシーとして、6年間通してやっていきたいことの軸となるのは、与えるとか、つくるとかではなく、元々子どもがもっているものをカタチにしてあげるということではないでしょうか。

その場で考える力も大事

佐藤先生 栄東は、人前に立つ機会が、非常に多い学校なんですね。私のクラスでは毎朝、2人ずつ、1分間の小話をすることになっています。ネタはなんでもいいので、世間話をします。そういう場面を、教員が意識して作っていくと、一歩踏み出すことができるようになってきます。それは、我々が育てたい力の一つです。自信はなくても「やってみよう」と一歩踏み出すことがすごく大事なことだと思っています。

人前で話すことが苦手な子もいますよね。

佐藤先生 そうですね。ですから説明会でも「自信がなくても、苦手でも大丈夫ですよ。ただ、話せるようになりたくないという子は、正直、難しいです」と申し上げています。うまくなりたいかどうかが大事で、その気持ちさえあれば大丈夫。無理強いしたりはせずに、チームワークの中で育てていきますから、うまくなりたいという気持ちさえあれば、必ず上達します。

栄東中学校

栄東中学校

小学校時代にいろいろチャレンジしよう

最後に、受験生にメッセージをお願いします。

大塚先生 受験勉強にかぎらず、自分の成長につながることに、いろいろチャレンジしてきてほしいと思います。いろいろなことにチャレンジすれば、教科書に載っていないことも吸収することがあるでしょうから、体験をしてきてほしいです。

佐藤先生 勉強も一生懸命、部活も一生懸命やろうというのが本校のモットー。入学したら、学ぶことがたくさんあると思いますから、友達同士でフィードバックし合って、成長の糧にしてほしいですね。

奥田先生 いろいろな雰囲気の学校があると思いますので、できるだけ学校に足を運んで、その空気感というものを感じて、学校選びをされるといいと思います。うちは生徒の手を離して、任せていくという学校ではありません。「ま、そう言わないで、やろうよ」と声かけをしていきますので、保護者の方だけでなく、お子さん自身が、自分が生活する場として適しているかどうかを判断することが大事だと思います。

インタビュー3/3

栄東中学校
栄東中学校平成4年に中学校が開校し、中高一貫教育が開始された。時代の変化に先駆けて、アクティブ・ラーニングを取り入れ、「①授業、②校外学習、③キャリア、④部活動」という4つを軸に分けて展開している。授業での工夫という枠を超えて、生徒の学びの場すべてをアクティブ・ラーニング実践の場ととらえ、学校そのものがアクティブ・ラーニングの場である。特定の教員が実践するのではなく、全教員がアクティブ・ラーニングの実践者であることが最大の特徴である。
大学入試結果は教育の成果であり、そこにいたるプロセスと大学卒業後、社会で生きる力の育成に関する学校としての方針をアクティブ・ラーニングという理論に基づいて計画して実践している。授業は常に見学可能であり、教員同士がいつでも授業を見せ合う環境となっている。中1の入学時点では人の前でプレゼンテーションすることが苦手な生徒でも、中3までの間に至極当然のこととなっていくということである。
建学の理念は、『人間はだれもがすばらしい資質を持った、宝の原石であると考え、その原石を磨き上げ、文字通り本当の「宝」として育てること』であり、そのために、「今日のことは今日やり、勉強も仕事も明日に残さない」ことを校訓としている。
広大な敷地には、勉学に専念するための充実した施設があり、先生方も遅くまで生徒たちの学びにつき合うことも多いという。もちろん勉強だけではなく、多くのクラブ活動も盛んであり、それはやはり学校での生活すべてがアクティブ・ラーニングであるということに通じている。