中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

栄東中学校

2016年03月掲載

栄東中学校【国語】

2016年 栄東中学校入試問題より

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

「私が兄とおやつの取り合いをしていたら、そのすきに弟にそのおやつを取られてしまい、あっけにとられた」という体験は、『とんびに油揚(あぶらあ)げをさらわれる』ということわざで言い表すことができます。また、「サッカーも野球も同時に習っていたが、どちらもあまり上達しなかった」という体験は、『二兎(にと)を追う者は一兎(いっと)をも得ず』ということわざで表すことができます。

(問)次の語群から一つことわざを選び、そのことわざで言い表すことができるあなた自身の体験を自由に記述しなさい。ただし、記述する文章の中に、語群から選んだことわざを使用してはいけません。

〈語群〉

  • 急がば回れ
  • 怪我(けが)の功名(こうみょう)
  • 好きこそものの上手なれ
  • 百聞(ひゃくぶん)は一見にしかず
  • 案ずるより産むがやすし

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この栄東中学校の国語の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、出題意図についてのインタビューを見てみましょう。

解答と解説

日能研による解答と解説

解答例

(ことわざ)急がば回れ

(記述)夏休みに一人で祖父母の家へ遊びに行った。以前来たときにはなかった道ができており、こちらの方が近道のように思えたが、迷ったら困るのでいつも通っていた道の方を選んだ。後で祖母に、新しい道は車が多く、信号も多いので危ないと教えられ、ほっとした。

解説

提示されている複数のことわざの中から一つのことわざを選び、そのことわざで言い表すことができる自分自身の体験を自由に記述する問題です。問題文の中に「ただし、記述する文章の中に、語群から選んだことわざを使用してはいけません。」とあるように、選んだことわざを使わずに説明する必要があります。どのことわざを選んでも構いません。これまでの自分自身の体験をふり返りながら、選んだことわざと自分自身の体験を結び付け、自由に記述しましょう。

日能研がこの問題を選んだ理由

この問題では、提示されている複数のことわざの中から一つのことわざを選び、そのことわざで言い表すことができる自分自身の体験を自由に記述することが求められています。

この問題に取り組む時には、ことわざの意味を知っているだけでなく、自分自身の体験と結び付け、それを表現する必要があります。「入試」という緊張感が伴う状況の中ではありながらも、多くの受験生がこれまでの自分自身の経験をふり返り、頭と心を動かしながら、この問題に取り組んだのではないかと考えます。

物事を自分自身の体験と結び付けて考える力は、これから先もずっと使い続けることのできる力です。そんな入試だけにとどまらない、今後生きていくうえでも大切な力が試されているという点に魅力を感じました。

このような理由から、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことに致しました。