中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには「こんなチカラを持った子どもを育てたい」という各中学のメッセージが込められています。
この「シカクいアタマをマルくする。」中学入試問題の新シリーズでは、そんな子どもたちの“未来へのチカラ”を問う入試問題から、その出題意図(アドミッション・ポリシー)と、子どもたちへのメッセージを探っていきたいと思います!

今月の額面広告に掲載されている問題はこれだ!

開智中学校

2015年07月掲載

開智中学校【理科】

2015年 開智中学校入試問題より

K君は以前から興味のあったオナモミを栽培し、人工的な光条件をつくり出して花がさくかどうかの実験をしました。まだまだ他にも花のさく条件がありそうだと思ったK君は、開智中学校に入ってからの探究を通して、さらなる検証を重ねたいと思いました。
下の表は上記の青字部分の実験の条件と結果を表したものです。表の光条件とは植物を光を当て続ける状態に置くことを意味し、暗黒条件とは植物をまったく光を当てない状態に置くことを意味します。光条件から暗黒条件への切り替えはすぐに行いました。
たとえば【実験3】では、オナモミを光条件に8時間おいたあと、すぐに暗黒条件に10時間おき、花のようすをかんさつします。

 光条件暗黒条件結果
実験1 12時間 0時間 さかなかった
実験2 6時間 6時間 さかなかった
実験3 8時間 10時間 さいた
実験4 10時間 8時間 さかなかった
実験5 8時間 8時間 さかなかった
実験6 8時間 9時間 さいた

(問)K君のおじさんはキクを育てている農家で、「ある方法を使って、本来さく季節より遅い季節にキクをさかせて、あえて遅らせて出荷することもあるんだよ。」と言っているのをK君は思い出しました。キクがオナモミと同じ性質のとき、ある方法とは何ですか。答えなさい。

中学入試問題は、子どもたちの“未来へ学び進むチカラ”を試しています。
そこには各中学の「こんなチカラを持った子どもを育てたい」というメッセージが込められています。
では、この開智中学校の理科の入試問題には、どういうメッセージが込められていたのか、解答・解説と、出題意図についてのインタビューを見てみましょう。

解答と解説

日能研による解答と解説

解答例

1日の中での明るい時間の長さが長くなるように、日の入り前からキクに照明を当てる。

解説

オナモミの実験結果をもとに、キクがオナモミと同じ性質を持っているものとした場合、本来さく季節より遅い季節にキクをさかせる方法を推測していきます。
オナモミを使った実験では、さまざまな条件で、花がさくかどうかを調べています。さかなかった場合とさいた場合の条件を比べて、花がさく条件がどのようなものなのかを探っていきます。まず始めに、光条件のちがいに目を向けると、花がさいた実験3と実験6は、どちらも8時間になっています。しかし、花がさかなかった実験5でも、光条件は8時間になっているので、花がさくかどうかということに、光条件の長さは関係がないことがわかります。次に、暗黒条件のちがいに目を向けて実験1~6を比べると、暗黒条件を長くすると花がさくことがわかります。さらに、それぞれの実験で暗黒条件にした時間の長さに目を向けると、暗黒条件にした時間の長さが9時間以上になると花がさくことがわかります。これらの着眼点からとらえた、オナモミの花がさく条件をもとに、本来さく季節より遅い季節にキクをさかせる方法を自分の言葉で表現します。

日能研がこの問題を選んだ理由

この問題は、K君が興味のあったオナモミについて、自分で栽培、実験を行った結果からわかったことを、他の植物にも結び付けるという流れになっており、自ら主体的に学んでいく展開になっています。また、実験結果を示す表をもとに問題に取り組むことで、示された情報を読み取り、読み取った情報を活用する力が問われています。
実験から得られた結果をもとに植物の性質をとらえ、その性質が実際に利用されている例と結び付けることで、物事を関連付けて考察する力にもつながると考えました。

このような理由から、日能研ではこの問題を□○シリーズに選ぶことに致しました。